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詭道贋作ガンダム・戦後の達人
第1幕:帰って来てしまったエース
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かされて晒し者じゃあ……こいつらが可哀想だ!」
そして、青年はスマホを操作し……

次の日も、少女は戦争博物館に展示する予定の兵器を指定された場所に運ぶバイトで汗を流していた。
「すまないね。私の酔狂に就き合わせちゃって」
「良いんですよ。私は所詮、流れのホームレスですから。寧ろ、これだけで給料を貰える事が嬉しいんですよ」
館長は少女の過去を問い質そうと思うも、最初の1歩が踏み出せずに訊き出せないでいた。
しかも、逆に少女に質問されてしまった。
「昨日の彼、館長さんの息子ですよね?なのに何であんなにこの博物館に反対を?」
この質問に対してとても恥ずかしそうにする館長。
「気付いてましたか?まあ、一言で例えるなら……まだ若いんですよ」
「若い?」
「まだ夢を観たい時期なんでしょうね。戦争の悲惨さより撃墜王や兵器の魅力の方に目が行きがちなんです。だから」
そう言いながら展示する予定の兵器を見回しながらこう続ける。
展示する予定の兵器(このこたち)には戦場で生き生きと戦って欲しいんでしょう」
すると、少女は少しだけ不機嫌になった。
「館長さん、私は貴方を少しだけ見損ないました」
「……はい?」
展示する予定の兵器(こいつら)は多くの罪無き者達を沢山殺す力を秘めてるんです!こいつらにどれだけの魅力があろうともそれは事実なんです!戦争の惨劇を絶対に忘れてはならないと言う貴方の意思には賛同します。だからこそ!何事も始まってから反省したのでは遅いんです!」
少女に完全に気圧された館長はちょっと引いて黙り込んでしまう。
しかし、突然暴走族風の集団が博物館にやって来た。
そこで我に返った館長は、集団に対して冷静かつ穏和に対応しようとした。
「申し訳ございません。この博物館はまだ開展しておりませんので―――」
それに対する集団の答えは……悪質かつ邪悪な暴力だった。
「そりゃそうだ。展示する予定の兵器(こいつら)は全部俺達が使わせて貰うんだからよ!」
「は?何を仰って―――」
「あんたの息子さんが言ってたぜ。展示する予定の兵器(こいつら)が可哀想だってよ」
「せっかく戦う為に産まれて来たのに、戦場から追い出されて誰とも戦えぬまま晒し者にされるのが我慢ならないんだってよ」
「ちょっと待て!君らまさか!?」
「俺達が展示する予定の兵器(こいつら)を正しい使い方で使ってやる」
「その方が、展示する予定の兵器(こいつら)も大喜びだろぉー!」
その間も、館長の抵抗も虚しく暴走族は展示する予定の兵器達を次々と根こそぎ奪っていく。
「止めたまえ!君達はまだ若い!君達は展示する予定の兵器(このこたち)の大罪を背負いきれない!やめるんだ!」
が、館長は逆に殴られて銃を突き付けられる。
「あめぇよ。そう言うおっさん
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