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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その四十二

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「事態は極めて深刻だな」
「これが震源地の状況で」
「地震のエネルギーを吸収してもだな」
「強さが強さです」
 マグニチュードのそれがというのだ。
「ですから吸収しきれず」
「それでだな」
「はい、ですから」
「この状況か」
「建物も耐震設計をしていましたが」
「それも未熟だった」
「そのこともあり」
 官僚もギルフォードに話す。
「この状況になりました」
「そうだな、やはりエウロパの技術ではな」
「自然エネルギーを吸収することも耐震設備も」
「未熟なものだな」
「ですから」
「その結果か、ならだ」
 それならとだ、ギルフォードはさらに話した。
「今後はそうした技術もな」
「革新していきますね」
「そうだ、だが今はな」
「被災者の救助とですね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「復興だ」
「それにあたりますね」
「そうする、ではいいな」
「わかりました」
「今日はここにいる」
 ギルフォードは官僚にこうも告げた。
「朝までな」
「ですがそれは」
「危急の事態だ、ここで休みだ」
「何かあればですか」
「私を起こすのだ、そしてだ」
「指示を出されますか」
「そうする、そして領主のフランドル伯だが」
 今度は現場の話をした、震災が起こったその星系の領主のことである。エウロパは貴族制でありそれぞれの地域や星系は貴族達が領主であるからだ。
「即座に復興の指揮にあたられています」
「それは何よりだ、では伯爵に伝えてくれ」
「何でもですね」
「不足があればな」
 その時はというのだ。
「即座にフランドルを領地にしているオランダ政府かだ」
「中央政府にですね」
「話をして欲しいとな」
 その様にというのだ。
「出来ることは何でもする」
「中央政府としても」
「だからだ、この度の震災はかなりの被害が出ている」
 このことは間違いないからだというのだ。
「だからだ」
「それ故にですね」
「私は今夜はここにいる」
「ではお休みになられても」
「この部屋にいる、夕食もだ」
 これもというのだ。
「ここで摂ろう」
「そうされますか」
「幸い入浴はもう済ませてある」
 これはいいというのだ。
「夕刻の時にな」
「そうされていますか」
「だからいい」
 入浴はというのだ。
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