暁 〜小説投稿サイト〜
チートゲーマーへの反抗〜虹と明星〜
18話 Hate【愛】とLogic【非情】
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
アイドル???誰もが目を奪われていく完璧な偶像。

本来それは女性の神格を持つ者にこそふさわしい称号だ。なぜなら、アイドルのオリジン……それは巫女???人という「実像のように思わせる」形をした偶像であるから、人は魅了され信仰するのだ。



神世の時代。

地上における、記念すべきアイドル第一号は、ユエルの2番目の妻にして妹 ナンナエルだった。


彼女の言霊は圧倒的だった。それこそアユムエルが生み出した怪物たちすら、彼女の言葉と踊りに心身ともに癒された。

ユエルの創造したムーと、アユムエルの創造したアトランティスの民が、今、小競り合いで済んでいるのはひとえに、彼女のおかげに他ならなかった。





だが????






彼女は何者かに惨殺されてしまった。


ハイパーロード2人の娘であるゆえに、不死を得ている彼女だったが、遺体をバラバラにされた上で封印されたことで、その魂は地球から高次元へと至る中間地点 冥界に閉じ込められ、彷徨うことになった。

ユエルは運命に決められた妻のこのような最後に、49日間泣き叫んだ。


この凄惨な事件にムーの人々は怒り狂い、アトランティスの犯行と決めつけた。アトランティスもまた、癒す者がいなくなったことで怒りが爆発する。


もう戦争を止める者は誰もいなかった。



こうして神々の意に反して、第一次古代戦争は起こってしまう。


超魔術のムーと超科学のアトランティス???戦況は拮抗していたが、天界の天使たちがムー側に加勢したことでムー大陸が徐々に優勢に進んでいったま。



ところで……この戦争に兄のミハエルとともに参加していた最高位天使たる叡智のエル サタエル。

ある時、彼の双子の妹である精神のエル リエルに問われた。


「ねぇ……サーくん?」
「あ?」
「あなたなんでしょ???ナナお姉ちゃんをあんな風にしたの。」
「言いがかりはよせ。何を証拠にそんなこと。」


父から受け継いだ冷酷さを伴った、青と金の瞳で彼女を睨む。しかしリエルは引き下がらない。その『赤と青の瞳』が輝く。


『言いがかりじゃない???あなたの心と私の心は繋がっている。あなたの嘘はお見通しなんだから!」
「……」
「ねぇ!なんでそんな残酷なことやったの!?!?」
「ふっ……くははははははっ!!」


鼻で笑った刹那、邪悪な高笑いがその場を支配する。まるで人が変わってしまったかのようなその態度にリエルは怯む。


「あの女は邪魔だったんだよ……あのアイドルがいる限り戦争は起こらない。ユーとアユムの戦争は起こってもらわないと困るのさ。」
「何言ってるの……そのためなら人間がどうなってもいいわけ!?」

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ