第二十五話 天使達の光その六
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「ライオンが鼠を全力で倒すのは正しい」
「あらゆる意味で鼠も侮れへん」
「どんな相手も侮ったらな」
その時点でというのだ。
「負ける」
「そうなるね」
「そういうことや」
こう言うのだった、そんな話もしつつだ。
一行は天界の神々の神殿を思わせる石柱が並んだ石畳の床の階を進んでいった。そうしてその階の上に行く階段の前の宿屋にだ。
全員で入った、そして一泊して身体を清めてだった。
朝食を楽しむとだ、綾乃はその朝食を食べて言った。
「チーズはこれやね」
「パンの上でとろりと溶ける」
「これやで」
焼きたてのトーストの上でそうなっているチーズを見つつシェリルに話した。
「溶けるのがね」
「最高やな」
「ほんまに」
うっとりとしての言葉だった。
「何と言っても」
「そう言うんやね」
「ただ」
「ただ?」
「いや、昔のスイスを舞台としたアニメで」
シェリルにそのチーズそれにトーストを食べて話した。
「こうしたチーズが出て」
「美味しそうやったんやな」
「そう思ったけどな」
「実際に美味しいやろ」
トウェインもそのチーズを食べて言った、勿論トーストも。
「解けてるチーズは」
「そやけどそこでスイスのお料理も」
「ああ、スイス料理全体がかいな」
「美味しいと思ったけど」
「あそこ採れたばかりの麦保存するで」
トウェインはこのことを指摘した。
「有事に備えてな」
「そやねんね、これが」
「スイスから来た連中が言うてるわ」
メルヴィルも言って来た。
「スイスの食べもんはまずい」
「しかも高いて」
「そうな」
「そやねんね、これが」
「そのアニメわしも知ってるわ」
メルヴィルはハムエッグを食べつつ言った。
「アルプスのな」
「そのアニメやで」
「弟さんが怪我したアニメやなくてな」
「あれもスイスやったね」
「そやったけどな」
「うちが今話してるのはそっちで」
アルプスのというのだ。
「ほんまあれやと」
「チーズめっちゃ美味しそうでな」
「スイス料理もと思ったら」
「フォンデュは美味しいわ」
これはというのだ。
「けどな」
「他のお料理は」
「ついでに言うとフォンデュもな」
この料理もというのだ。
「あれもな」
「古くなった食べものをやね」
「食べる為のもんでな」
「寒い中で身体を温める」
「確かに美味いけど」
それでもというのだ。
「貧しさ故に生まれた」
「そうしたお料理やね」
「綾乃ちゃんも好きみたいやけどな」
「パンとかソーセージとか入れて」
串に刺したそれをというのだ。
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