第八十四話 映画を観てその十一
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「叔父さんが言うにはゲーム界屈指の悪役らしいな」
「そこまで悪い奴なのね」
「それで人間的というからな」
「やっぱり一番怖いのは人間で」
「悪いのもな」
こちらもというのだ。
「人間だ」
「そうなるのね」
「やはりな、実際今回サンタさんの映画観てもな」
フィンランドのというのだ。
「別にな」
「怖くなかったわね」
「お爺さんが団体で来てもな」
例え狂暴でもというのだ、人を襲うまでに。
「別にな」
「怖くなかったわね」
「映像も発想もな」
「よかったわね」
「ストーリーも独特でな」
こちらのこともというのだ。
「よかったと思うけれどな」
「怖いかってなると」
「思わなかったな」
「そうだったわね」
「本当に日本人が怖がるのは」
「怨霊ね」
「そこにある人間の恐ろしい一面だな」
それだというのだ。
「怖いのは」
「そうよね」
富美子もそれはと頷いた。
「私も怪談とかでね」
「怖いのは幽霊だな」
「怨霊よ、ほら姫路城ってね」
「お菊井戸だな」
「あれお菊さんよね」
「そうらしいな」
皿屋敷のというのだ。
「どうも」
「本当かしら」
「どうだろうな」
越智は富美子に懐疑的な態度で答えた、その顔そして物腰からそうしたものが出ていてそれで言うのだった。
「そこは」
「わからないの」
「東京の話だろ」
皿屋敷はというのだ。
「番町でな」
「怪談だとそうね」
「そうじゃないのか」
「そうかしら」
「こっちの話はな」
「また別なの」
「そうじゃないのか」
こう言うのだった。
「あの怪談はな」
「ひょっとしたら」
富美子は越智の話を受けて考える顔で言った。
「同じ様なことがね」
「姫路城でもあったか」
「そうじゃないの?」
「そうか?」
「それでね」
「あのお城にあの井戸があるのか」
「お菊井戸がね」
「そうなのか」
「その辺りよくわからないけれどね」
憶測だがというのだ。
「そうじゃない?お皿があったかどうかわからないけれど」
「お菊さんって人がか」
「不始末をしたって言われて」
そしてというのだ。
「殺されてね」
「井戸に投げ込まれてか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
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