第八十四話 映画を観てその十
[8]前話 [2]次話
「それだけだ」
「大したというか全くね」
「変わらないな」
「そうよね」
「だから人間だが」
「一番怖いってなるわね」
「だから生きていながら魔王になれば」
その心が憎悪に支配されてというのだ。
「亡くなってもな」
「魔王になるのね」
「死んで魔王になるんじゃない」
「生きているうちに魔王になるのね」
「そうなる、そして怨霊もな」
「生きているうちになるものね」
「それが身体をなくしただけだ」
人間と怨霊と呼ばれる存在の違いはというのだ。
「それだけだ」
「全然違わないわね」
「だから日本の話はな」
「人間が一番怖いのね」
「怨みを抱いたな」
「そうなるのね」
「京都なんか幽霊が多いがな」
その話がというのだ、尚この街は長い歴史を持っているだけあり幽霊だけでなく鬼の話も実に多い。他にも多くの妖怪がいるという。
「怨霊もな」
「多いのね」
「あそこに遷都されたのも怨霊を恐れてだしな」
桓武帝の弟気味であられる早良親王のそれを恐れてのことである。
「本当にな」
「怨霊の話が多いのね」
「鬼も怖いが」
「幽霊の方が怖いわね」
「日本ではな」
「それで映画でも出て来るのね」
「怖いからな」
この世で最もとというのだ。
「日本人が感じるに」
「悪い奴も人間ね」
「日本だとな」
「創作の世界でも」
「人間以外でも悪い奴が出て来るが」
創作の世界ではというのだ。
「観れば行動はな」
「人間ね」
「悪い意味で人間的でな」
そうしたものでというのだ。
「そうした悪役も出ている」
「人間ね」
「叔父さんが昔やっていたゲームでな」
越智はこう前置きして富美子に話した。
「桃太郎伝説があったが」
「電鉄なら知ってるけど」
富美子はそちらはと返した。
「日本のあちこちの線路買って」
「お店とかも買っていくな」
「工場とか野球のチームもね」
「あのシリーズも叔父さんがやってる」
「そうなの」
「サラリーマンで趣味でな」
そちらでというのだ。
「よくやっていてな」
「伝説の方も遊んでおられるのね」
「それでシリーズの中でな」
この作品そして電鉄もかなり多くの作品が出ているのだ、実は日本のゲーム界のベストセラーの一つである。
「迦楼羅という敵が出て来るが」
「鳥の仏様よね」
「その作品で鬼でな」
そうした設定でというのだ。
「シリーズの中でも特に悪い奴らしいが」
「人間的なの」
「そうらしい、とことん邪悪な奴らしいが」
「人間みたいな性格なのね」
「人間の悪い部分醜い部分だけを集めて煮詰めた」
「そんな奴なのね」
「それが迦楼羅らしい」
この悪役だったというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ