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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その四十一

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「かつ紳士でもある」
「お国の言葉ですね」
「イギリスのな、そして実際にだ」
「スパイは紳士が就くものである」
「ただ優秀なだけでなくだ」
「人格も品性も備えている」
「そうした者でなければならない」
 こう言うのだった。
「私もそう考えている」
「逆に言えばそうした人材でないとですね」
「諜報員は務まらない」
「まさに一線級の人材でないと」
「ましてやエウロパ軍は精鋭揃いだ」
 このことは昔から言われていることだ、さながらプロイセン陸軍やロイヤル=ネービーの様に厳格な軍律と絶え間ない訓練で鍛えているからだ。
「その中でも選ばれた人材だ」
「それならですね」
「優れた人材であることは当然だしな」
 それ故にというのだ。
「私は彼等の活躍を確信している」
「ことを果たしてくれると」
「エウロパとサハラの講和をな」
「助けてくれますね」
「必ずな、では卿にもな」
「このことをですね」
「宜しく頼む」
 こうモンサルヴァートに話した。
「その様にな」
「わかりました」
 モンサルヴァートも頷いた、そしてだった。
 二人はそれからも軍のことを話した、ギルフォードはその後で今度は自身の執務室に戻り書類仕事にあたった。それが終わり。
 執務室を出たところで官邸に詰めている官僚から報告を聞いて顔を顰めさせて言った。
「すぐに総統命令を出す」
「そうしてですか」
「軍を出動させてだ」
 そのうえでというのだ。
「その地域に緊急物資もだ」
「送られますね」
「そうする、さもないとだ」
 彼はさらに言った。
「市民達が危うい」
「マグニチュード七・四の大地震です」
「百万以上が被災したな」
「まだ被害の状況はわかっていませんが」
「それでもだ」
「今すぐにですね」
「軍を出動させてだ」
 そうしてというのだ。
「被災者の救助にあたらせてだ」
「物資もですね」
「送る、仮設住宅もだ」
 これもというのだ。
「当然だ」
「送りますね」
「そうする、では今からだ」
「ここで、ですか」
「被害状況を聞こう」
 こうも言うのだった。
「さらにな」
「そして、ですか」
「必要とあれば指示を出す」
「そうされますか」
「あとだ」
 彼はさらに言った。
「被災状況を教えてくれるか」
「映像で宜しいでしょうか」
「それでいい」
「では」
 官僚は自分のスマホを取り出しギルフォードに見せた、ギルフォードはその動画を観てすぐに言った。
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