第七十五話 天下茶屋その十一
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「大叔母さんもよくこっちにです」
「来られているの」
「そうなんですよ、二人で」
「大叔母さんお二人で」
「はい、姉妹で」
それでというのです。
「よく来られてます」
「そうなのね」
「とはいっても僕ここには大叔母さん達に連れて来てもらったことないです」
「あら、そうなの」
「いつも一人で来てます」
私にこのこともお話してくれました。
「その方が気楽ですしね」
「子供の頃から？」
「はい、そうです」
「そういえば新一君一人での行動が多いわね」
このことにここで気付きました。
「誰かと一緒にいるってあまりないわね」
「そうですね、単独行動好きなんで」
「そうなの」
「一人の方が気楽なんで」
それでというのです。
「ですから」
「一人でいるのね。お友達は」
「どうですかね、友達って自分がそう思っていても相手がどう思ってるかわからないですよね」
「そう言われるとそうね」
この言葉には驚きました、確かにそうしたことはあるからです。
「お互いが友達って思ってるとは限らないわね」
「人の考えってわからないですからね」
「その通りね」
「友達ってこうじゃないですか？」
商店街の中を歩きつつ私のお顔を見て言ってきました。
「どっちかが死んで生きている方が死んで残念と思う」
「それが友達なの」
「友達じゃないないとそんなこと思わないですよね」
「何とも思ってないとね」
それならです。
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