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第二十四話 未来その七

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「二人を見守って導けたら」
「いいんだね」
「ええ、けれど」
「けれど?」
「神威ちゃんは私を殺さないわ」
 微笑んでだ、小鳥は牙暁に答えた。
「絶対にね、そしてお兄ちゃんもね」
「いや、運命は」
「運命は変わるから」
 だからだというのだ。
「私はね」
「殺されないんだ」
「二人共意志は強いから」 
 神威も封真もというのだ。
「だからね」
「それでなんだ」
「どうして地の龍になると二人は私を殺すのかしら」
「二人が人の心をなくすからなんだ」
 牙暁がその理由を話した。
「人を殺しても何も思わない冷酷で残忍な」
「そんな人になるの」
「神威が地の龍になればね」
「どうしてそうなるのかしら」
「これは内緒にして欲しいけれど」
 こう前置きしてだ、牙暁は小鳥に話した。
「君が例え間もなく死ぬとしても」
「それでもなの」
「うん、気付かれてはいけないから」
 決してというのだ。
「誰にも。それでね」
「約束ね」
「うん、僕と庚だけが知っている」
「庚さんは地の龍の」
「丁様の妹さんでね」
「ちらりと聞いたことがあるけれど」
「僕とあの人だけの秘密なんだ」
 こう言うのだった。
「このことはね」
「そしてそのことを」
「内緒にしてくれるかな」
「ええ、言わないわ」
 小鳥は確かな声で誓った、優しい声であったがそこには誰もを信頼させる確かな強さが存在していた。
「私は」
「では言うよ、実は丁様は一人じゃないんだ」
「そうなの」
「もう一人全く逆の人格のあの方がいてね」
 そしてというのだ。
「その人がだよ」
「地の龍になった神威ちゃんやお兄ちゃんを変えるの」
「その心をね」
「外からそうするのね」
「彼が選択をして」
 神威、彼がというのだ。
「天の龍と地の龍が決まれば」
「その時に」
「地の龍に干渉して」
 そうなった者にというのだ。
「そしてなんだ」
「心を変えてしまうの」
「そうなんだ、僕と庚も止めるつもりだけれど」
「それは無理なのね」
「うん、運命でね」
「そこでも運命なのね」
「どれだけ人が全力を尽くしても」
 牙暁は悲しい顔で話した。
「運命はね」
「変えられないもので」
「それでなんだ」
「地の龍になったら神威ちゃんかお兄ちゃんはそうなって」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「君を殺すんだ」
「そうなのね」
「そう、だから」 
 それでというのだ。
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