第二十四話 未来その六
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封真は家に戻った、神威も自分の部屋に入り小鳥も眠りに入ったが。
夢でだ、牙暁に出会ってまずは挨拶をされた。
「はじめましてだね」
「貴方は誰?」
「玖月牙暁、地の龍の一人だよ」
「この世界を滅ぼすという」
「僕はそうしたくはないけれどね」
牙暁は目を閉じて言った。
「けれどね」
「そうする人達なの」
「人間を滅ぼすことが世界を滅ぼすというならね」
「そうなるのね」
「けれど僕はそれを望んでいないし」
人減を滅ぼすことをというのだ。
「また戦うことも出来ないんだ」
「どうしてなの?」
「ずっと眠っているからだよ」
小鳥に微笑んで話した。
「だからだよ」
「それでなの」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「僕はね」
「戦えなくて」
「夢見をしているんだ」
「丁様と同じなのね」
「うん、天の龍の夢見は彼女でね」
そしてというのだ。
「地の龍の夢見は僕なんだ」
「そうなのね」
「そしてね」
牙暁はさらに話した。
「僕は今は君の夢の中に来たけれど」
「どうして来たの?」
「君に伝えたいことがあってね」
それでというのだ。
「来たんだ」
「その伝えたいことは」
「うん、君は間もなく死ぬよ」
今度は悲しい顔になって話した。
「神威か君のお兄さんに殺されてね」
「えっ、どうして神威ちゃんかお兄ちゃんに」
「それが運命だから。神威が選択を行えば」
天の龍になるか地の龍になるかのそれをというのだ。
「その時はね」
「私は殺されるの」
「実は君のお兄さんは添え星で」
その立場でというのだ。
「神威がどちらかを選べば」
「お兄ちゃんはもう一つの龍になるのね」
「そうなんだ、だからね」
「私は神威ちゃんかお兄ちゃんに殺されるの」
「地の龍になった方にね」
「そうなのね」
「悲しいけれどね、これは運命なんだ」
牙暁は悲しい顔のまま話した。
「だからね」
「受け入れるしかないのね」
「うん、君にとっては辛いけれど」
「いえ、神威ちゃんかお兄ちゃんなら」
自分を殺す相手がとだ、小鳥は達観した笑顔で言った。
「実は夢で見たこともあるから」
「君が殺される時をだね」
「ええ。十字架にかけられていて」
そしてというのだ。
「上から神威ちゃんが剣を両手に逆手で持って振り下ろして」
「君の胸を貫いて」
「そして殺されるの、それを何故かもう一人の神威ちゃんが見ていて」
「叫ぶね」
「私が殺されるのを止めようとして」
「その夢のままにだよ」
「私は神威ちゃんかお兄ちゃんに殺されるのね」
「そうなるんだ」
「わかったわ、それが逃げられないなら」
小鳥は俯きながらも意を決した顔で言った。
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