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「ごめん、ハクネさん…」
「別に大丈夫ですよ!琴葉さん、喜んでるみたいだし、私も別に忙しいわけでもないので…」
そこまで言って、フィルウさんと琴葉さんがすごく微妙な表情を浮かべていることに気づいて言葉を止めた。
こう、なんというか…信じられない!空いた口が塞がらない!の一歩手前みたいな…?
「お二人ともどんな表情で…」
「…ほんと、いい子だね〜……いい子すぎて、悪い人に捕まらないか心配だよ私」
「…同感」
「私だってちゃんと大人ですからね!?」
子供扱いを受けているようで、少し凹んだ。
しばらく琴葉さんのもふもふアンド冷却タイムが続いた後、満足した琴葉さんは私を解放し、お礼を言いながらお菓子をくれた。バターの香ばしい匂いがするクッキーで、「さっき焼いたの!」と自慢していた。
「フィルくんにもあるよ」
「あ、そう…ありがとう」
「生地の余った端くれを合わせて作っためちゃくちゃ小さいやつ」
「おお…」
私が受け取ったものは、本当にお店に並べても問題ないんじゃないか、というレベルの綺麗なクッキーが三枚入っていて、おまけに丁寧にラッピングまで施されていた。
対して、フィルウさんはジップロックに、形も大きさもまちまちなものがいくつか入っているのみ。もしかして。
「フィルウさんと琴葉さんって、仲悪いですか…?」
面と向かって聞くのもどうかとは思うけど、後で聞きにくいなと思って素直に聞いてみる。すると、琴葉さんは急に噴き出して大笑いし始めた。
「あははは!フィ、フィルくっ、わ、私たち仲悪いんだって!!やば、ツボって…ふふふ」
どういう反応なんですか、これ。
「仲が悪いことはないと思うよ…?確かに気に入らないところはあるけど、別にね…?」
「むしろ気が合うほうだよね」
「いや、それはない」
「なんでよー!?」
「僕は君の行動を心配してるだけで…」
ぎゃいぎゃいと反論する琴葉さんに対して、苦笑いしながら華麗にかわしていくフィルウさん。二人とも少し楽しそうで、「仲が悪いのでは」と心配したのは杞憂だったと思った。
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