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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その三十七

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「そうだったな」
「あの古典の」
「貴公子の恋愛小説だな」
「その源氏物語の主人公だとです」
 その様にというのだ。
「言われています」
「気品があり政治家として有能だからだな」
「かつあの外見ですので」
「それ故にあの作品の主人公と呼ばれている」
「源氏の君はその恋愛遍歴が作品の主な舞台ですが」 
 そこから因果応報や無常を書いている、仏教的思想の極めて強い作品なのだ。
「しかし政治家としても」
「非常に優れているな」
「華も実もある人物で」
「まさに源氏の君とだな」
「言われている人物で」
 それでというのだ。
「連合でも優れた政治家だと評判です」
「人気も高いな」
「女性からも男性からも。ただ」
 ここでモンサルヴァートは八条についてこうも話した。
「源氏の君は女性遍歴が派手で」
「それを描いた作品だな」
「ですがあの御仁は」 
 その源氏の君と言われているがというのだ。
「そうしたお話はです」
「ないな」
「とかく浮ついた話がなく」
「確かまだ独身だったな」
「はい」
 まさにというのだ。
「あの御仁は」
「そうか、結婚していないとはな」
 このこと自体にとだ、ギルフォードは話した。
「不思議だ」
「彼ならばですね」
「家は連合屈指の資産家でだな」
「しかもその家の後継者であり」
 そしてというのだ。
「あれだけの外見と能力です」
「それならだな」
「人格も立派とのことなので」
「結婚出来ない筈がないな」
「世の中非常に卑しい輩も結婚出来ます」
 これが現実だ、人間何よりも重要なものは人格だというがその人格が非常に卑しくとも結婚出来たりするのだ。そして中にはそこから児童虐待等醜悪な犯罪をしでかす輩もいる。
「ですから」
「あの御仁ならだな」
「はい、まさに」
「すぐに結婚出来るな」
「それが出来る筈だ」
 まさにというのだ。
「私もそう思う」
「独身主義者でもない様ですが」
「それでもだな」
「まだ結婚しておらず」
 それでというのだ。
「周りも心配しているそうです」
「そうなることも当然だな」
「そこが私もわかりません」
 モンサルヴァートにしてもというのだ。
「まことに」
「そこはその通りだな」
「世の中おかしなこともあるものです」
「まさにな」
「しかしそれはです」
 ここでモンサルヴァートはこうも言った。
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