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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その三十六

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「必要ならな」
「行いますね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「国益を得る」
「エウロパのそれを」
「そうしてもらう、いいな」
「わかりました」
 モンサルヴァートはギルフォードに対して答えた。
「そうさせて頂きます」
「ではな」
「既に多くの諜報員を送り込んでいますが」
「増やしてもらいたい」
 さらにという返事だった、ギルフォードの今のそれは。
「いいな」
「わかりました」
 モンサルヴァートは即答で答えた。
「それでは」
「宜しく頼む、だが」
「だがといいますと」
「連合は今他国には基本無関心といったが」
「それでもですか」
「見ている者もいるな」
 こうも言うのだった。
「中央政府外相ニキータ=カバリエは当然にしても」
「あの御仁ですか」
「そうだ、中央政府国防長官のな」
「八条義統ですね」
「彼も見ている」
 その彼もというのだ。
「そしてエウロパとサハラの講和をだ」
「妨害してきますか」
「敵の負担を減らす者はいない」
 それは一切とだ、ギルフォードは言い切った。
「むしろ負担がそのままあるならな」
「その負担をそのままですね」
「しておくことがだ」
「国家戦略として正しいですね」
「そうだ、だからだ」
 それが為にというのだ。
「連合としてはだ」
「そうしてきますね」
「あの御仁はな」
「エウロパの負担をさらに増やす為に」
「サハラとの講和を妨害する」
「そうしてきますか」
「そうだ、そのことが充分に考えられるからだ」
 それ故にというのだ。
「軍にはな」
「諜報部の精鋭をですね」
「実際に送り込んでもらってだ」
 そのうえでというのだ。
「働いてもらいたい」
「わかりました、それでは」 
 モンサルヴァートはギルフォードのその言葉に頷いた、そうして総統である彼に対してこうも答えた。
「想定しているよりもです」
「多くの諜報員をだな」
「送り優れた者も」
 その諜報員の中でもというのだ。
「そうしてです」
「そのうえで、ですね」
「連合の妨害を防いでもらう」
「わかりました」
 確かな声での返事だった。
「その様に」
「それではな」
「連合でも気付いてですね」
「動く者は動く」
「左様ですね」
「それがあの御仁だ」
 八条、彼だというのだ。
「連合の貴公子だ」
「あちらでは源氏の君とも言われていますね」
「源氏物語の主人公だったな」
 ギルフォードは紅茶を飲みつつ語った、やはり彼は紅茶を愛しこうした時も手放すことは決してないのだ。
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