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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第159話:精神世界での攻防
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で、レギオンファントムがその下手人を睨む。
 そこに居たのは…………

「颯人の中から…………出て行けぇぇぇぇッ!!」

 そう叫んだのは、ウィザードギアに身を包んだ奏であった。先程颯人の身を案じて寄り添っていた彼女は、彼が苦しむ姿に居ても立ってもいられずウィズ達の後を追ってアンダーワールドへと入り込んだのだ。
 そして間一髪、ドラゴンの窮地を救った彼女はそのままレギオンファントムを押し出し、激昂と共に光に包まれレギオンファントム共々その場から消えてしまった。

「カナデッ!?」
「外だ! 我々も出るぞ!」

 奏が何処へ消えたのかにすぐ気付いたウィズは、ガルド達と共にアンダーワールドから外に出た。

 そこでは一足先に外に出ていた奏が、レギオンファントムを追い詰めているのが見えた。

「このぉぉぉっ!」
「くぅっ! 何と言う激しい攻撃! そしてそれ以上に美しい! その一途な心、実にエキサイティング! お前も是非壊してやりたいところだが……」

 見渡せば周囲には奏の他にも響や翼といった装者、そしてアンダーワールドから出てきたウィズ達も居る。流石にこの数を相手にするのは、レギオンファントムでも厳しいものがあるのか奏の攻撃を防ぐとそのまま大きく引き下がった。

「今日はここまでにしておこう。何一つ壊せなかったのは残念だが、楽しみは後に取っておくとしようか」
「待てッ!」
「ではさらばだ」

 止める間もなく、レギオンファントムはその場から姿を消した。後を追おうとした奏だったが、颯人の事を放っておく事も出来ずその足は直ぐに止まる。
 代わりにウィズがレギオンファントムの後を追った。

「奴は私が負う。颯人の事は任せたぞ」

 そう言うとウィズは姿を消したレギオンファントムの後を追ってその場から姿を消した。残された奏は
ギアを解除すると急いで倒れた颯人に駆け寄った。

「颯人ッ!」

 依然倒れたまま起き上がらない颯人だったが、その様子は先程に比べて穏やかだった。心の中で暴れるレギオンファントムが居なくなったからだろう。顔には汗を浮かべているが、呼吸は落ち着いていた。
 その様子に奏も一先ずほっと胸を撫で下ろした。

「颯人……」

 その後颯人は駆け付けた救助隊により回収され本部の医務室へと運び込まれた。そこでアルドからの検査を受けた結果、大分消耗しているがそれでも命に別状はないと言う診断を下された。

「じゃあ、颯人は大丈夫なんだな?」
「えぇ。一時はどうなる事かと思いましたが、魔力も失われる事は無く済みそうです。あなたのお陰ですよ、奏さん」

 アルドの言葉で、奏は漸く自分がこの力で颯人を守れたことを実感した。それを誇らしく思うと同時に、彼が助かった安心感に体から力が抜け
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