タイムラグバトル
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シリルside
医務室へとナツさんを連れてきた俺たち。そこには大魔闘演武に参加しているメンバーはもちろん、彼を心配して駆け付けたギルドの仲間が多くいた。ただ、あまりにも人数が多くてグランディーネ・・・ポーリュシカさんに追い出されていたけど。
「あんたたちもとっとと帰りな。これからバトルパートに入るんだろ?」
人が減ったことは減ったけど彼女は明らかに怒っているのがわかる。人間嫌いだからというのもあるけど、ボロボロになっているナツさんを見て思うところがあるのかもしれない。
「ここは私たちが見てるから」
「お前らは何にも心配すんな」
リサーナさんとエルフマンさんにもそう言われ、俺たちは彼を任せて医務室から出る。通路を歩いている間、重苦しい雰囲気に包まれていた。
「どう思う?あいつら」
「大会中の出来事と言われればそれまでだが・・・何か気になるんだよなぁ」
「気になるって・・・何がですか?」
ラクサスさんは何か引っ掛かるところがあるみたい。ただ、それが何なのかは彼自身もわかっていないようで、俺の問いには答えてくれなかった。
「何にしても、ここからのバトルパートは要注意だな」
「そうですね。前回も色々ありましたし」
以前の大会では大鴉の尻尾が様々なルール違反を犯してこちら側を潰しに来ていた。今回の相手はそんなことは今のところないけど、普通のギルドとは異なる狙いを持っているのは言うまでもない。
「もしあいつらと戦うことになったら、俺が出る」
様々な憶測が飛び交う中、先程まで口を閉ざしていたギルダーツさんが不意にそんなことを言う。その目は昨日の夜と同じ、苛立ちを隠しきれないものになっていた。
「昨日何かあったんですか?」
「ギルダーツさん・・・めっちゃ怒ってますけど」
「ちょっと色々あってね」
昨日の夜行動を共にしていたカナさんに聞いてみたけど、彼女にもはぐらかされてしまい結局わからず終いになってしまう。その後俺たちはそれぞれの待機場所へと戻ると、ちょうどバトルパートの開始時間になったのかチャパティさんの声が響き渡った。
『大変お待たせいたしました!!これより本日のバトルパート・タッグバトルのルールを説明します!!』
今日のバトルパートは二人参加のタッグバトルになるらしい。ここまでは昨年もあったため驚きではなかったが、次に説明されたルールに会場はざわつくことになる。
『本日のタッグバトルは《タイムラグバトル》となっております!!』
「「「「「タイムラグバトル?」」」」」
聞き慣れない単語に全員が顔を見合わせる。タイムラグって時間差があるってことだけど、それがバトルとどう繋がると言うのだろうか?
『タイムラグバトルではまず最初に各ギル
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