暁 〜小説投稿サイト〜
新オズのリンキティンク
第六幕その四

[8]前話 [2]次話
「それでな」
「そのうえで、ですか」
「オズの国でもな」
 こちらでもというのです。
「そう呼んでもらってるわ」
「それで、ですか」
「ああ、織田作さんって呼んでくれるか」
「わかりました、それでは」
 王子は一呼吸置いてでした、織田さんあらため織田作さんに言いました。
「織田作さん、これで宜しいでしょうか」
「ええ感じや、ほなな」
「これからはですね」
「王様達もな」
「織田作さんとお呼びしますね」
「よろしゅうな」
「それでだけれど」
 王女も織田作さんに言ってきました。
「ちょっといいかしら」
「どないしたんや?」
「織田作さんは何処かに行くみたいだけれど」
 前から歩いてきたことから言いました。
「何処に行くのかしら」
「ああ、ちょっと本屋さんまでな」 
 織田作さんは王女に笑って答えました。
「行くねん」
「そうなのね」
「かみさんに留守番頼んで」
 そのうえでというのです。
「ちょっと本を買うんや」
「作家さんだから本も必要ね」
「そや、これがまた出来たかみさんでな」 
 織田作さんは自分から奥さんのお話をしました。
「何かと助かってるわ」
「恋女房ね」
「そや、外の世界では先立たれたけど」
 そうなってしまったけれどというのです。
「こっちの世界ではな」
「また一緒になれて」
「もうずっとや」 
 それこそというのです。
「二人でおるで」
「それは何よりね」
「一緒になるまで色々あったし」
 昔を懐かしむお顔でこうも言いました。
「それでオズの国でも一緒で」
「嬉しいのね」
「ああ、今はパソコンで書いてるけど」
 作品をというのです。
「原稿に書いてた頃は辞書ひいたりもしてくれて」
「お仕事も助けてもらっていたのね」
「そや、もう離れんで」
 絶対にというのです。
「二度とな」
「ご安心ーー下さい」
 チクタクも織田作さんに言ってきました。
「オズの国ーーではーーです」
「死なんからな」
「誰もーーです」
「そやからな」
「お二人がーー離れるーーことーーはです」
 そうしたことはというのです。
「絶対にーーです」
「ないな」
「左様ーーです」
「そやな、そやからこれからもな」
「奥さんーーとーーですーーね」
「一緒におるわ、そうして小説書いてくわ」
 そうしていくというのです。
「是非な」
「はいーーそれーーでは」
「そういうことでな、ほな機会があれば」
「またーーですーーね」
「会おうな」
 笑顔で言ってでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ