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第二十三話 剣生その十四

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「わからないけれどね」
「そうか、なら戦いになるとな」
 その時のことをだ、神威は昴流に彼の話を聞いたうえで話した。
「俺は見守らせてもらう」
「そうしてくれるんだ」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだった。
「あんたが生きて帰って来ることを待つ」
「勝ってというんだね」
「そうだ、そうさせてもらう」
「その気持ち受け取ったよ。ただ」
 それでもとだ、昴流は達観した様な何処か寂しさや哀しさを感じさせる微笑みになって神威に話した。
「僕は約束は出来ないよ」
「このことについてか」
「うん、ただそれまでは何があってもね」 
 それでもというのだ。
「天の龍としてね」
「俺達と一緒にいてくれるか」
「そうさせてもらうよ」
「なら頼む、そして小鳥もな」
「お見舞いさせてもらうよ」
「宜しく頼む、そして選択だが」
「うん、もうすぐ君はその時を迎える」
 昴流は神威を正面から見据えて答えた。
「君にとっては最も大事な」
「選択になるな」
「僕から言えることは一つだよ」
 今も神威を正面から見据えて話した。
「後悔はしないことだよ」
「それが大事か」
「うん、決してね」
 まさにというのだ。
「後悔しない」
「それが大事か」
「君は二人を護りたいね」
「封真と小鳥をな」
「それならね」
「それを果たす選択をだな」
「することだよ、ただ選択をすれば」
 昴流は澄んだ顔と声で話した、その澄み具合は水晶の様だった。
「何かを得るかも知れないけれど」
「失うこともか」
「あるかも知れないよ」
「失うのか」
「そう、人は何かを選択すれば」
 その時にtごいうのだ。
「自然とね」
「得るものがあったりか」
「失うものがあったりするよ」
「そうしたものか」
「だからね」
 それでというのだ。
「失うことになっても後悔はね」
「しないことか」
「それが大事だよ」
 こう言うのだった。
「そしてそのうえで前を見て」
「進むことか」
「そうすべきだよ」
「天の龍になろうと地の龍になろうと」
「どちらの選択をしてもね」
「わかった、俺は封真と小鳥を護る選択をする」
 神威は確かな声で答えた。
「そしてその時何を失ってもな」
「後悔しないね」
「難しいかも知れない」
 自分で直感的に思ってこの言葉を出した。
「しかしな」
「それでもだね」
「前を向く、少しの間立てなくなっても」
 それでもというのだ。
「まただ」
「立って」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
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