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第二十三話 剣生その十三
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「出来ればそうしたいが」
「それでもか」
「ああ、だが必ずな」
「戻って来るか」
「そうなりたいな」
「なりたいだと」
「わからないからな、しかしな」
 それでもとだ、封真はまた微笑んで話した。
「戻ってきたらまただ」
「三人でだな」
「過ごしたい」
「ならいい、兎に角俺は今も小鳥を護ってだ」
「これからもだな」
「そうする」
「わかった、なら頼む」
 封真は微笑みに戻ったまま神威に応えた、今二人は小鳥がいる部屋の前に向かい合って立って話しているが眠っている小鳥には聞こえない。
「小鳥もな」
「ああ、小鳥を護る選択もな」
「してくれるか」
「そうする」
「ならそうしてくれ」
「ではな、小鳥を見ていいか」
「そうしてくれ」
 こう神威に言ってだった。
 封真はその場を後にした、そしてだった。
 神威は小鳥がいる部屋に入った、見れば彼女は白いベッドの中で眠っていた。彼女の傍に来るとそこでだった。
 ドアをノックする音が聞こえた、神威はそちらに顔を向けて問うた。
「誰だ」
「僕だけれど」 
 声は昴流のものだった。
「いいかな」
「小鳥を見舞ってくれるか」
「その為に来たよ」
「わかった」
 神威は昴流のその言葉に頷いて言葉を返した。
「入ってくれ」
「それではね」
「それでだが」
「何かな」
「あんたも随分と色々あったんだな」
 昴流を見上げて言った。
「目を見るとな」
「わかるんだ」
「ああ、わかる様になった」
 こう言うのだった。
「過去に何かとある人間は目が違う」
「過去がそこに出るというんだね」
「とても優しいが苦しみや悲しみ、絶望も多分にある」
 昴流のその目を見て話した。
「そうした目だ」
「否定出来ないかな、実際にね」 
 昴流は神威のその言葉に少し苦笑いになって答えた。
「色々あったよ。高校も中退してそれから皇家の主にもなったしね」
「そうして陰陽師として生きて来たか」
「中退するきっかけもね」
 この時のこともというのだ。
「今も引き摺っているしそれまでもね」
「学生だった頃もか」
「多くのものを見て来たしね」
「だからか」
「僕に色々あったことはね」
 このことはというのだ。
「本当にね」
「事実か」
「そうだよ、そして」
 昴流は自分からだった、このことを言った。
「地の龍の一人と僕はね」
「ちらりと聞いたが」
「うん、因縁があるんだ」
「そうだったか」
「桜塚護、本名は星史郎さんというけれど」
「前に議事堂に威嚇を仕掛けてきたか」
「あの人とね」 
 まさにといううのだ。
「何かとあったんだ」
「そうだったか」
「多分僕とあの人は会うから」
「そして戦うか」
「その時どうなるか」
 
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