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Fate/WizarDragonknight
聖杯
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だが、巨大な聖杯には明らかに規模が足りない。その上、聖杯を覆う泥が衝撃を吸収し、聖杯はまったく傷ついた様子もない。

「効かない……!」
「無駄無駄無駄じゃ! 聖杯は、参加者に破壊することなどできんのじゃ!」

 アマダムは大笑いする。
 やがて、聖杯から伸びた触手は、アマダムに集中して注がれていった。
 怪しい宗教団体のようなローブは、光を浴びるごとに、どんどん変わっていく。
 やがて、アマダムのその姿は、中年男性のものから変貌していく。
 灰色の、仮面を被った悪魔。胸や肩を灰色の骨格で覆っており、その肉体をより強固なものにしていった。

「前にも見たな……その姿は」
「さあ、聖杯の目の前で果てるのだ!」

 士が鼻を鳴らす一方、怪人態のアマダムは、その手に光弾を発生させ、放った。
 地下空間を埋め尽くしていく爆炎。

「くっ……迅位!」

 だが、煙を横切り、まずアマダムへ攻撃を行ったのは、可奈美だった。
 千鳥の素早い切っ先が、アマダムの体を切り裂こうとする。
 だが、ウィザードたちの目にも止まらない速度にもかかわらず、それはアマダムの目に捉えられていた。
 全てが避け切られ、逆に可奈美は胸にアマダムの蹴りを受けた。

「ぐっ……!」

 蹴り飛ばされ、大きく後退される可奈美。
 彼女が着地するのと同時に、今度はビーストと響が接敵した。

「うおらァ!」

 ビーストがダイスサーベルで突くが、アマダムはそれを全て受け流していく。
 すばしっこく動き回るが、アマダムの隣には、すでに響が回り込んでいた。
 姿勢を引くし、その顎へ拳を殴り上げる。

「だりゃあああああああああッ!」
「見切れているわ!」

 顎を引いてそれも交わしたアマダムは、ビーストの腕を掴み、そのまま響へ投げつける。

「うわっ!」
「ええッ!?」
「まとめてドーン!」

 ビーストと響へ、手から発生した光弾を直接ぶつける。
 爆発とともに吹き飛んだ二人と入れ替わり、ウィザード、龍騎、友奈が今度は接近戦を仕掛ける。
 ウィザーソードガンとドラグセイバーを避け、正面から行く友奈の拳。

「読めているぞ!」

 友奈の肘を殴打し、その拳は地面に墜落。
 桃色の花びらが、暗い地面に咲く。ウィザードと龍騎は一時的に足を止め、足場の安定を優先せざるを得なかった。
 そして、その隙にアマダムは腕を大きく横切らせる。
 斬撃となったそれは、三人の体から火花を散らし、大きく吹き飛ばす。

「つ、強い……」

 起き上がりながら、ウィザードは毒づく。
 そして。

『ケータッチ 21』
「俺も行くか」
(ダブル) OOO(オーズ) フォーゼ ウィザード 鎧武(ガイム) ドラ
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