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Fate/WizarDragonknight
聖杯
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積された英霊たちの分、パワーアッッッップもできるのーん!」

 洞窟内に響く声。
 やがて、聖杯の盃部分にある球体から、妖しい光が強くなっていく。

「こんな風にね!」

 アマダムの号令とともに、聖杯から無数の触手が放たれる。

「!?」

 ハルトはウィザーソードガンで迎撃。銀の銃弾で、触手を弾いていくが、泥は足元からも広がっていく。

「うそッ!?」

 聖杯からあふれ出た泥は、触れてしまった者を離さない。
 首や体を締め上げる痛みが、体を貫いていく。

「コイツ、オレたちから魔力を吸い取っていやがる!」

 コウスケの叫び声で、ハルトは首を巻き付く触手を見落とす。
 赤青緑黄。ウィザードの魔力を示す色が、それぞれ触手を通じて聖杯へ、そしてそれを通じてアマダムに注がれていく。

「斬れない……!」
「だとしても……ッ!」
「勇者は……根性……っ!」

 可奈美、響、友奈もまたそれぞれ触手と格闘している。紅、黄、桃色のエネルギーがそれぞれ彼女たちからも奪われていく。

「だったら……ドラグレッダー!」

 赤いエネルギーが奪い取られていく真司は、カードデッキからドラグレッダーのカードを取り出す。
 すると、地下空間にどこからともなく赤い龍、ドラグレッダーが出現する。
 ドラグレッダーは吠えながら聖杯の周囲を旋回し、その口から炎を吐き出す。
 だが、泥の塊のように見える聖杯は、ドラグレッダーの炎を受け付けない。

「ドラグレッダー! みんなを助けてくれ!」

 真司の命令に、ドラグレッダーは攻撃対象を変更する。尾にあるドラグセイバーを振るい、ハルトたちの首を絞め上げる触手を一気に切断する。

「ふむぅ……面倒じゃのう……ドラグレッダー」

 アマダムはにやりと笑みを浮かべながら、その手をドラグレッダーへ向ける。
 すると、参加者を束縛していた触手が一斉にドラグレッダーへ向けられる。

「ドラグレッダー!」

 真司が叫ぶ。
 ドラグレッダーの巨体が、黒い触手に次々と絡め捕られていく。そのまま地面に墜落したドラグレッダーは、苦しそうに声を呻いていた。

「「「変身!」」」

 だが、ドラグレッダーが時間を稼いでくれた。
 ハルト、コウスケ、真司の三人はそれぞれのアイテムを使い、変身。アマダムへ挑みかかっていく。

「ふん」

 三人の攻撃に対し、アマダムは長いローブの袖を振り回して受け流していく。その間に、可奈美、響、友奈の三人は、聖杯本体へ挑みかかっていく。
 写シ、唄、勇者服をそれぞれ纏い、同時に聖杯へ飛び上がった。

「太阿之剣!」
「我流・撃槍衝打ッ!」
「勇者パンチ!」

 紅、黄、桃それぞれの攻撃が聖杯に命中する。
 
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