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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その三十一

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「相手はモーゼル銃だな」
「はい、それ位の違いがあります」
「そうだな」
「だから侮れません」
「将兵の訓練度が低くとも」
 連合軍のそちらの問題点はエウロパもよく認識している、連合軍が軍事訓練よりも軍規軍律や身だしなみの徹底それに市民との交流に力を入れていることについて。
「しかしだな」
「はい、それでもです」
 連合はというのだ。
「数と装備、それにシステムがです」
「優れているからな」
「実際に我々はエウロパ戦役では敗れています」
「その敗北がだ」
「今のエウロパを作ってもいますね」
「装備の優れた大軍に敗れた」
 それがエウロパ戦役であり事実である。
「その相手を侮るなぞな」
「出来ないですね」
「到底な、それで言うが」
「軍もですね」
「幾ら発展してもだ」
「慢心せずに」
「さらなる発展を続けることだ」
 そうすべきだというのだ。
「そしてだ、国家戦略としてな」
「敵も連合のみとしてな」
「ことを進めていきますね」
「その様にな」
「わかりました、では軍も」
「今私が話した通りにな」
「発展と」 
 モンサルヴァートはさらに言った。
「マウリアにおいてですね」
「情報収集を行いな」
「サハラとの講和にですね」
「動いてもらう」
 情報収集を行ってというのだ。
「いいな」
「わかりました、外務省を援護して」
「ではな、しかしここで問題になるのは」
「連合ですね」
「中央政府も各国政府も外交官を置いている」
 そのマウリアにというのだ。
「だからな」
「彼等の目ですね」
「それがだ」
「問題ですね」
「目が多い」
 ギルフォードはにこりともせず述べた。
「その目の多さはだ」
「そのまま見つかりやすさにつながりますね」
「連合は中央政府も各国政府も連合の外に関心が薄く」
 それも極めて、である。
「それでだ」
「マウリアについてもですね」
「送る外交官の数は少なく」
「事実上の左遷先か」
「わざわざ民間から募集してだ」
 資格なぞ問わずにだ、マウリアの公用語であるヒンドゥ―語すら喋ることが出来なくてもいいとされている程だ。
「もう他にすることがない様な」
「暇な者を送りますね」
「もの好きが募集に応じるか」
 この場合もあるというのだ。
「そうして大使になるが」
「ほぼ大使館という名の一軒家にいて」
 そしてというのだ。
「そこから出ないでだ」
「ネットや新聞、テレビから情報を得て本国に流す」
「それだけだ」
 まさにというのだ。
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