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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その二十八

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「純粋にエウロパのものとする」
「国家が管轄して、ですね」
「中央政府がな、そのうえで国民に分配する」
「そして国家にも」
「一部の者の利権にしたりするとな」
 そうしたことを許すと、というのだ。
「スぺインの様になる、また我が国だが」
「イギリスですか」
「あの植民地統治もしてはならない」
 イギリス流れのそれもというのだ。
「一時期確かに我がイギリスは大帝国になったが」
「植民地を殆ど失いましたね」
「すると見る影がなくなった、そもそも植民地の防衛にだ」
 それにというのだ。
「軍を置いてだ」
「その負担が大きかったですね」
「そこから国力も負担した、インドを植民地にしたが」
「その防衛と治安維持にかなりの国力を使いました」
「そうだ、そのことを見るとな」
「新天地の経営については」
「スペインでもイギリスでもない」
「別のやり方でいかれるおつもりですか」
「植民地とはしない」 
 そもそもというのだ。
「エウロパの領土として統治する」
「そうされますか」
「そうだ、多くの領主達の進出も行ない」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「エウロパとして統治を進めていく」
「そうしていきますか」
「なまじ植民地とするから駄目だった」
 かつての欧州各国、大航海時代から帝国主義に至り大事に世界大戦が終わるまでの彼等はというのだ。
「植民地は領土ではあるが」
「本土ではないので」
「その経営に限度がある」
「地に足のついた統治とはならない」
「統治ではなく経営だ」
 そちらだというのだ。
「本土とそこにいる本国民を豊かにする為のものであり」
「それ以上ではなく」
「それでだ」
 その為にというのだ。
「やがて現地民の反発も招いた」
「歴史にある通りですね」
「愚かな話だ」
 ギルフォードはここで顔を顰めさせた、そのうえでこう言った。
「実にな」
「現地民の反発とその結果の独立は」
「人類は永遠に我々が導けばよかったのだ」
「植民地は独立することなく」
「その結果連合の様な国が生まれた」
「我々の忌まわしい敵が」
「数だけ多く富を貪るだけの衆愚の国がな」
 ギルフォードは連合について侮蔑を露わにして述べた。
「生まれた」
「そして今の我々がある」
「植民地の者達はあのままでよかった」
 欧州各国の植民地のままでというのだ。
「我々に従ってだ」
「そして生きていれば」
「人類は今より遥かに正しく進化していた」
「エウロパの主導により」
「そうなっていた筈だが」 
 それがというのだ。
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