第3部
ルザミ
滅びの町の真実
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入ったランプを受け取った。シスターは銀髪の女からそのランプを貰ったと言っていたが、それってあんたのことだろ?」
そういえば、そんな話をカリーナさんがしていたことを思い出した。
「ああ、あれは保険だよ。少しでも君がイグノーからオーブを貰える条件を増やすために私が用意したんだ。ゴーシュの夢では夜だったみたいだから、ラナルータの呪文を応用していつでも夜にできるアイテムを事前に作って、君たちに手に入れてもらうよう、シスターにお願いして預かってもらったんだ。もし町が滅びていたら、きっとシスターの家に足を運ぶと思ってね」
「メモには、『最後の鍵』を手に入れろと書いてあったが、そいつを手に入れるまで随分回り道をさせられたぞ」
「もし夜にテドンに行っても、イグノーのいる牢屋に入れなかったら意味がないと思って、ちょうどいいアイテムがないかこの家の本を調べてたら、どんな扉も開けられる鍵があることを知って、ついでに書いておいたんだよ。古い文献だったからどこにあるかまでは書いてなかったけど、勇者である君なら見つけられると思ってたよ。……いや、勇者なら、そのくらい見つけてもらわないとね」
そこまで説明したフィオナさんの話を聞いて、ユウリは閉口してしまった。勇者なら当然出来るだろと言われたようで、何も反論することが出来ない、といったほうが正しいか。
「まあ、とにかくオーブが手に入ったんならいいじゃない♪ それよりさあ、さっきユウリちゃんたちがフィオナさん夫婦に見られたって言ってたじゃん? そこら辺詳しく教えて欲しいな〜」
「そんなこと言った覚えはない」
「え〜、確かに言ってたよ? 新婚夫婦に見られてたって☆ つまりミオちんがユウリちゃんの奥さんってことだよね? ね?」
しらばっくれるユウリに対し、シーラはニヤニヤしながら追及してくる。
「もしかしてまたテドンに行けば、二人が夫婦に見られるんじゃない?あたしも一回見てみたいな〜」
「お前……、ふざけるなよザルウサギ!」
「待って! もしかしたらもう、イグノーさんの術は解けちゃったんじゃないかな?」
『え?』
「ええと確か、イグノーさんが天に召された時、『私の力によって留まっていた町の人たちの魂も解放されるだろう』って言ってた気がする。解放されるってことは、術も解かれるって意味なんじゃないのかな?」
「確かにその可能性は高いね。イグノー自身の術では、町全体の姿を変えることは難しかったのかも知れない。自分の死後も維持しなきゃならないしね。だから彼は、町の人の魂を利用した。当時の人々の思念や記憶を具現化させて、夜だけ見える幻の町を作り上げたのかも知れない」
憶測だけどね、とフィオナさんは付け足した。けれど、その考えはあながち間違ってはないんじゃないかと思えた。
「なるほど〜……。それは残念」
それほ
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