第二十四話 夢幻の森その二
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「余計に迷ってな」
「どうしようもなくなるな」
「そうなるな」
「奇麗な薔薇には棘があってな」
シェリルはトウェインにも話した。
「そして毒もな」
「あったりするな」
「奇麗なお花でも」
それでもというのだ。
「そこには毒がある」
「それがこの階か」
「そういうことや、ただ複雑な道や区画がな」
「迷宮を造るんやないな」
「罠も迷宮を造ってな」
そうしてというのだ。
「その罠にはや」
「奇麗なお花もあるか」
「そういうことや」
「全く、わい等がこうしたことへの耐性も強なかったら」
トウェインは眉を曇らせて言った。
「今頃この森の木々とお花の毒に惑わされて」
「まともに進めんかったな」
「そやったら」
「そうならんこともや」
「大事やな」
「迷宮の在り方は一つやない」
シェリルは確かな声で言った。
「複雑な区画にな」
「自然の地形もあるな」
「そして罠もな」
「自然のもんがあるな」
「そういうことや、ほなな」
「この階もやな」
「進んでいくで」
こう言ってだった。
シェリルは周りにある花粉達を横目で見つつ仲間達と共に先に進んでいった、そうして後ろから来た塔を護る兵達虎人のアボリジニーの装備と服装の者達をだった。
振り向かず術を後ろに放って一掃した、そのうえで彼等に言った。
「自分等はお花の毒に抵抗ないか」
「はい、そうした処置はしています」
「我等は」
「術と道具で」
「ですから幻覚に惑わされません」
「決して」
「そやったらええがこうした階や」
ここで彼等に振り向いて話した。
「そやからな」
「気をつけることですね」
「くれぐれも」
「そうせよというのですね」
「そや、このお花達の毒はかなり強い」
今度は花達を見て言った、どの花達も見れば見る程毒々しい。美しいが花の色も配力も実にそうである。
「正確に言うと花粉の毒やが」
「わかっています」
「ですから我々もです」
「今お話させてもらっている通りです」
「十二分に気を付けています」
「ですからご安心を」
「それやとええ、ほな先に行くわ」
シェリルは正面に顔を戻して言った。
そのうえで仲間達と共にさらに進んでだった、そうして。
その階を踏破した、そのうえで次の階に入るとそこは普通のダンジョンだった。壁と煉瓦の通路であったが。
中里はその目を鋭くさせて床を見て言った。
「何かな」
「どうしたの?」
「いや、今度はピラミッドみたいな感じがするな」
「その中みたいっていうのね」
「そやからな」
「罠が多いかもっていうのね」
「そんな気がしたけどな」
「そうでしょうね、罠が何もない階もね」
「これまでそうなかったな」
「どの階もね」
この塔
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