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ハッピークローバー
第八十三話 映画館へその十一

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「誰もだ」
「見放すわね」
「そして生きる力もな」
 これもというのだ。
「もうな」
「ないわね」
「そうに決まっているからな」
「破滅して」
「死んでいるかもな、ただな」
「ただ?」
「そんな奴は自分のことしか考えていないからな」
 越智はそれでとだ、富美子に話した。
「権力が嫌いでもいざとなったらすがるんだよ」
「権力に?」
「ああ、つまり政府にすがってな」
 そうしてというのだ。
「あの手この手で生活保護もな」
「受けるの」
「それで自分だけ生きようってするんだよ」
「生活保護で」
「ああ、そんな権力に反対していてもな」
 それこそ権力に反対するなら人を殺す様なテロを行ってもそれを肯定するまでに否定していてもというのだ。
「自分がいざな」
「困るとなの」
「すがるんだよ」
「それで自分だけ生きるのね」
「そんな奴が生活保護受けてな」 
 そしてというのだ。
「他の真っ当な」
「本当に生活保護を受けるべき人達が受けられないのね」
「そうなるからな」 
 だからだというのだ。
「こんな奴はいて欲しくないな」
「この世に」
「ああ、馬鹿過ぎるだけじゃなくてな」
「害になるから」
「この世にな」
 それでというのだ。
「馬鹿過ぎる奴は自分のことしかだ」
「考えないのね」
「だから他の人の嫌みや苦しみだってな」
「わからないし」
「わかろうともしないのね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「それで自分だけ助かろうってな」
「生活保護にもすがるのね」
「政府に頼んでな」
「権力に反対するなら」
 国にとだ、富美子は言った。
「もう生活保護だってね」
「受けないな」
「プライドがあったらね」
「そうだろ、普通は」
「そうよね」
 富美子もそれはと応えた。
「やっぱり」
「しかもそれで本当に困ってるな」
「生活保護も受けるべき人が受けられない」
「こんなの間違ってるしな」
「生活保護は必要だよ」
 その制度自体はというのだ。
「絶対にな」
「本当に困ってる人がいるから」
「そうした人を助けることはな」
「やっぱり必要よね」
「けれどこんな奴いざ自分がテロに遭ったらな」
 そうなった時に考えられることもだ、越智は話した。
「自分だけ助かろうとするさ」
「他の人はどうなってもよくて」
「身代わりにしてでもな」
「自分だけは助かる」
「そうなる様にするさ」
「そんなものよね」
「ここまでの馬鹿だとな」 
 越智はさらに忌々し気に言った。
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