第八十三話 映画館へその八
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「やっぱりドラえもんでしょ」
「じゃあ行くな」
「ええ、そしてね」
「楽しむな」
「そうするわ、ドラえもんは一生読んでね」
原作の漫画の方もというのだ、藤子不二雄という偉大なコンビの漫画家が生み出した最高傑作であると言っていい。
「そして観るべきの」
「最高のものだな」
「何か吉本隆明とかいう思想家いたらしいけれど」
「戦後最大の思想家とか言われてるな」
「読む気にならないけれど」
「安心して、読んでも何にもならない」
吉本隆明と聞いてだ、越智は即座に冷静に返した。
「あいつの本はな」
「そうなの」
「何を書いているかわからない」
「そうした本なの」
「何でも小林秀雄は古典や歴史や音楽の教養があればわかる」
日本の古代史なりクラシックなりのだ、この思想家の文章は実は読んでいると教養さえ備わっていればわかるのだ。
「そう聞いているが」
「その人のはなの」
「何を言っているのかわからないでな」
それでというのだ。
「そうでない文章は何でもない」
「そんなのなの」
「テロを起こしたカルト教団の教祖を持ち上げた」
吉本隆明の実態が明らかになった事象であろうか。
「オウムのな」
「ああ、あの如何にも胡散臭い」
富美子はオウムと聞いてこう言った。
「それでやってることもお金と権力とハーレムで」
「自分だけ美味いものを食ってな」
信者達には粗食というのもおこがましいものを食べさせてだ、自分は大好物のメロンをいつも楽しんでいたという。
「そんな風だった」
「権力獲る為に兵器開発して」
「そんな奴を最も浄土に近いと言っていた」
「本物の馬鹿だったのね」
「そんな馬鹿だ」
越智もまさにと答えた。
「もうどうしようもないな」
「馬鹿なのね、吉本隆明って」
「あんな馬鹿の本は読んでも時間の無駄だ」
それに過ぎないというのだ。
「本当にドラえもんの映画を観た方がな」
「ずっといいのね」
「吉本の本は森林資源や電気の無駄だ」
電子書籍でもインターネットなので電気という貴重な資源を使うというのだ。
「だがドラえもんは掛け替えのない大切なことを沢山教えてくれる」
「全然違うわね」
「吉本の本は読まなくても人生に何の影響もない」
むしろ愚かになると言うべきだろう、カルト教団の殺人やテロを起こした教祖を賛美する様な輩の影響を受ければ。
「だがドラえもんを読んで観るとな」
「凄い影響が得られるわね」
「いいそれがな」
まさにというのだ。
「そうなる」
「そうよね」
「だからドラえもん一択だ」
吉本隆明かドラえもんのどちらかというと、というのだ。
「最早な」
「そういうことね」
「高名と言われる思想家でもな」
「中身なかったりするのね」
「そんな
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