アインクラッド 前編
揺れ出した心
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、再び、トウマの顔にさっきよりも濃い安堵の色が浮かぶ。マサキはそれを確認すると、トウマに別れを告げて自室へと戻った。
「…………」
中に石でも入っているのではないかとさえ思わせる堅いベッドの上で、トウマは不思議なパーティーメンバーのことを考えていた。自殺を思いとどまらせてくれた上、《シャドーハントウルフ》との戦いでは窮地を救ってくれた恩人で、自分の感情を見せず、どこか乾いた印象を受ける性格。戦闘で見せた驚くべきセンス。そして、何処から来るのかは分からないが、トウマのそれを遥かに上回る絶対的な自信。それらは今までにトウマが見てきた人種とは何かが違っていて、トウマはこの短期間に、彼に強い関心を抱いていた。
――そして、それと同時に、強い恐怖も。
しかし、一番の違いは、彼の後半の言葉だった。その言葉に、トウマの心は確かに揺れ動いたのだ。
「……あいつなら……」
その感情は、同じく揺れ出した視界と絡み合いながらまどろみの中へと消えていった。
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