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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その二十七

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「まさに」
「敵を多く置くとな」
「それだけで負担ですね」
「そこで失敗した国は多い」
「歴史上において」
「例えばヴァロワ期のフランスだ」
 この頃のこの国はというのだ。
「神聖ローマ帝国にスペインが敵だった」
「両方共ハプスブルク家でしたね」
「ヴァロワ家の宿敵はハプスブルク家だった」
 ブルゴーニュを巡って争いそこからだった、両家はことあるごとに対立し幾度も干戈を交えてきた。
「そのハプスブルク家にだ」
「挟まれる形になり」
「常に争ってだ」
 そうしてというのだ。
「その結果だ」
「フランスは消耗しましたね」
「幸いもう一つの宿敵イングランドは暫くはフランスと戦えなかった」
 そうした状況ではなかったというのだ。
「あの国はな」
「薔薇戦争に入り」
「それどころではなかった」
「それでイングランドの方は大丈夫でしたが」
「二国を敵にしていた」
「神聖ローマ帝国とですね」
「スペインだ」
 この二国にというのだ。
「万力の様に常に締められてだ」
「攻撃を受け」
「そして消耗していた」
「そのことを見てもですね」
「敵は少ない方がいい」
 何といってもというのだ。
「多いとな」
「それだけで、ですね」
「国家にとって負担が増える」
「だからこそ」
「我々も敵は一つにする」
 サハラと講和してというのだ。
「連合のみにな」
「その様にしますね」
「そしてだ」
「国家戦略を立てていきますか」
「そうする、その中で軍を技術的にも組織的にも刷新していき」
 そしてというのだ。
「そのうえで他の政策もだ」
「行っていきますか」
「暗黒宙域の踏破も然りだ」 
 こちらもというのだ。
「やはりな」
「踏破して」
「そしてだ」
「その先にあるものをですね」
「手に入れる」
 そうするというのだ。
「必ずな」
「そうされてですね」
「そしてだ」
 ギルフォードはさらに言った。
「我がエルロパを強大にする、だが」
「だがといいますと」
「先にスペインの名を出したが」
 それでもと言うのだった、ここで。
「あの国は覇者になったな」
「新大陸からの富で」
「だがその富はスペインを素通りしかつ貴族達のみ豊かにし」
「肝心の国家と民はどうだったか」
「然程だった」
「だからですね」
「新天地の富もな」
 これもというのだ。
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