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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その二十四

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「もっと言えば抹殺する」
「能力の問題ではなく」
「奸賊は能力に関係ない」
「用いてはならないですね」
「よく政治家や官僚、貴族、企業家の世界にいるというが」 
 それはとだ、ギルフォードは話した。
「どの様な悪事、どの様な虚言を弄しても何とも思わない」
「極端な人格障碍者ですね」
「いざとなればどれだけ醜悪な真似もし卑劣の限りを尽くし責任転嫁に徹し他人を騙し続ける」
「そうした輩も立場に関係なくですか」
「存在する、私はそうした輩についての話を聞くが」
 それでもというのだ。
「労働者や農民、漁師の社会でもだ」
「存在していますか」
「そして軍人の社会にもな」
「そう言われますと」
 軍人のトップとしてだ、モンサルヴァートも否定出来ずに答えた。
「確かに」
「存在しているな」
「はい、軍法会議の場でその悪事を調べられ」
「有罪とされてもだな」
「それでも嘘を言い続ける輩がいました」
「あくまでだな」
「そして何も知らない者を騙そうとする」
 そうした行為をするというのだ。
「始終それに徹します」
「そうだな、そうした輩はこの世に僅かながら存在する」
「平然と悪事を行い嘘を言える」
「これは癌だ」
「社会のですか」
「エウロパのな」
 自分達の国のというのだ。
「それになる、こうした輩こそだ」
「切りますか」
「そうする、無能な働き者はどうでもなる」
 その用い方はというのだ。
「適材適所の論理からな、しかしな」
「こうした輩はどうにもならないので」
「切ってだ」
 その様にしてとだ、ギルフォードは話した。
「取り除く」
「エウロパから」
「出来るだけ多くな」
「そうしてですね」
「害を取り除く、世の中人格と能力は無関係というが」
 ギルフォードはこの言葉にも言及した。
「それは程度により」
「だからですか」
「そうだ、悪事を何とも思わない輩はだ」
「使えないですね」
「どういった能力でもな」
「必ず悪事を為すので」
「私はハイドリヒでも使う」
 ナチスの中でもとりわけ悪名高い人物だ、鋭利な知力と政治力を誇ったが冷徹で残忍かつ好色で謀略を好み権力志向が強く人間としての評判は最悪であった。
「まだな、だが」
「異常者はですか」
「俗に屑と言われる様な輩はな」
「用いられない」
「癌はだ」
 どうしてもというのだ。
「使えない」
「そうなのですね」
「だからだ」
 とてもというのだ。
「使えない」
「そうですか」
「そうだ、だからだ」
「そうした輩はですね」
「用いない、私はハイドリヒは使うと言ったが」
 ギルフォードは自分の言葉をもう一度出した。
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