第百四話 八月の終わりその十一
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「お母さん達の時も有名だったのよ」
「無能ってことね」
「どうして無能になるか」
それはというのだ。
「努力しなかったからよ」
「努力したら何かが備わるのね」
「そうよ、努力したら」
そうであったらというのだ。
「きっとね」
「お勉強でもいいのね」
「それでもいい大学入っても」
「野党の人達みたいになるのね」
「ええ、そこで止まったらね」
「それで学校の勉強だけじゃないっていうのね」
「毎日少しずつでも努力すれば」
その様にすればというのだ。
「きっとね」
「何かになれるのね」
「出来る様になってね」
それと共にというのだ。
「咲にしてもよ」
「私もなのね」
「今お話した人みたいになりたくないでしょ」
「今その人行方不明よね」
咲は眉を顰めさせて答えた。
「あまりにも酷くて皆から匙投げられて」
「お金もお仕事もなくてね」
「お家も失って」
「そう、何もかもなくなってね」
「それでも反省しなくて」
「それでね」
そうした有様でというのだ。
「もうね」
「そうなったのよね」
「だって何もしない出来ないのに偉そうで」
「感謝もしないで」
「それで文句ばかりで図々しくてね」
「偉そうで反省もしなかったのよね」
「こんなのだとね」
母は嫌そうに話した。
「誰だってよ」
「匙投げるわよね」
「そうするわよ」
「どうしようもない人ってことね」
「これで普通のお家で地位も財産もね」
「ないのよね」
「そうしたお家で今で言う毒親って呼ばれる人に長男だからって甘やかされて」
そのうえでというのだ。
「そうなったらしいけれどね」
「それでも酷いわね」
「元々酷かったのに毒親の人がいても」
「甘やかされたから」
「物凄く贔屓されて甘やかされてたってね」
その様にというのだ。
「聞いているわよ」
「長男さんだから」
「弟さん達は邪険で」
「その人だけ贔屓されて」
「子供の頃からそうで」
そうした風でというのだ。
「そのまま大人になって」
「それじゃあ年齢だけ重ねて」
「中身はね」
それはというのだ。
「子供のままだったのよ」
「そうだったの」
「確かその人いい歳だったのよ」
「結婚した位だしね」
それならとだ、咲も言った。
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