第五幕その十
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「弓術は免許皆伝、示現流の達人で」
「しかも馬術にも秀でていて」
「実は物凄く強くて」
「槍術免許皆伝の山縣さんにも負けない」
「そこまでの人だったね」
「そんな努力の人だったから」
それ故にというのです。
「皆慕って伊藤さんもね」
「その初代総理のね」
「伊藤博文さんだね」
「あの人も」
「総理大臣を任せたんだ」
そうしたというのです。
「努力家で真面目でね」
「それで能力があった」
「努力した結果」
「総理大臣になれるだけに」
「そうだよ、努力してきたからね」
先生は言いました。
「松方さんもそうなったよ、努力を否定してね」
「才能だけ賛美していたら」
「もう何にもならない」
「そうだね」
「世の中は」
「そうだよ、そんな人の作品なんて」
それこそというのです。
「いいかというと」
「そんな筈ないね」
「だから日露戦争をそう言って」
「震災についても」
「それで日本の悪口ばかり書いてるんだ」
「努力をしない人が何になれるか」
先生は悲しい目でお話しました。
「もう答えはね」
「出ているね」
「それこそ」
「もうね」
「薩摩藩の人達は武芸に励むことで有名だったけれど」
それだけではなかったというのです。
「武士の人達は大抵そうだったけれどね」
「学問にも励んだ」
「そうだね」
「あの人達は」
「そうだったんだ」
まさにというのです。
「僕もお手本にしてね」
「努力してるよね」
「学問に」
「毎日ね」
「そうしているね」
「そのつもりだよ、僕は楽しんでいるけれど」
学問をというのです。
「それと共にね」
「そうだよね」
「ちゃんとね」
「そうしていてね」
「やっていってるね」
「学者は学問をして」
そうしてというのです。
「そこから得るものを得ていく」
「そうだよね」
「それが学者さんだね」
「調べて論文を書いて」
「また考えもしていく」
「そうであってこそね」
先生は皆に言いました。
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