第五幕その七
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皆で食べ終えた後はまた地質調査でしたがその中で、です。
先生はお空に海上自衛隊の哨戒機を見て言いました。
「後日海上自衛隊の基地に帝国海軍の史跡研修にも行くけれど」
「どうしたの先生」
「後日よね、それ」
「今日じゃないわよね」
「うん、けれど思い出したんだ」
その思い出したことはといいますと。
「東郷平八郎さんも鹿児島だったね」
「そうそう、あの人もね」
「鹿児島出身でね」
「海軍のトップだった山本権兵衛さんもね」
「海軍大臣だった西郷従道さんも」
「鹿児島は海軍と縁が深いんだよね」
今お話するのはこのことでした。
「実は」
「そうだよね」
「歴史を見たら」
「海軍の基地もあったしね」
「航空隊の」
「陸軍にもおられたけれどね」
鹿児島出身の人はというのです。
「大山さんや黒木さんがね」
「けれど陸軍っていうとね」
「山口、長州藩だね」
「どうしてもそのイメージあるよね」
「あちらは」
「陸軍の父と言われる山縣有朋さんが長州の人でね」
その長州藩の領袖と呼ぶべき人でした。
「桂太郎さんもそうだったしね」
「あと寺内さんもだったね」
「乃木さんや児玉さんも」
「そうした陸軍の人達がね」
「長州の人達だったからね」
それでというのです。
「陸軍というとね」
「やっぱり長州藩だね」
「山口県だね」
「そして海軍は薩摩藩」
「この鹿児島県ね」
「そうだね、東郷さんがいなかったら」
先生はさらに思って言いました。
「黄海海戦でも日本海海戦でもね」
「果たして勝てたか」
「陸では旅順と奉天で乃木さんが獅子奮迅の働きをして」
「海では東郷さんが鮮やかに勝って」
「日本はあの戦争に勝てたね」
「あるライトノベルの作家さんは勝ったことになっているなんて言ったけれど」
眉を曇らせての言葉でした。
「間違いだよ」
「確かに勝ったよね」
「勝っているところでアメリカの仲介を頼んでそこで終わらせた」
「それって勝ちだよ」
「紛れもなくね」
「東郷さんも乃木さんも必死に戦って」
そうしてというのです。
「かつね」
「誰もが必死に戦って」
「そして勝ったね」
「高橋是清さんは必死に戦費を調達して」
「そのうえでアメリカに仲介も頼んでいた」
「あらゆる努力を払ってだよ」
そうしてというのです。
「勝った勝利だよ」
「勝ったことになっているじゃないね」
「決して」
「あの戦争は」
「どうもこの作家さんは天才肌の登場人物ばかり出すから」
このことから見てというのです。
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