第二十三話 剣生その七
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「持てずともです」
「姫様の力ならだな」
「預かって頂ける筈です」
そうであるからだというのだ。
「ここはです」
「今はだな」
「はい、持って帰りましょう」
「そうすればいい」
時鼓の話と彼女の死に衝撃を受けていて蒼白となっている小鳥に寄り添っている封真が言ってきた。
「小鳥のことは任せてくれ」
「いや、君達も来た方がいい」
昴流は二人の顔を見てこう言った。
「妹さんだけじゃなくて君もだ」
「俺もですか」
「来た方がいい」
「神威の傍にいた方がな」
まさにその方がというのだ。
「いい」
「大事な決断の時だからですね」
「支えてくれ、それに妹さんは限界だ」
昴流は蒼白な顔のままさらに血の色をなくしていっている小鳥を見て言った。
「このお家だけではな」
「無理ですか」
「クランプ学園には確かなお医者さんもいる」
「そういえば貴方は」
嵐は昴流がクランプ学園について言及したのを受けて彼に言った。
「クランプ学園に」
「高等部までね」
「通っておられましたね」
「中退したけれどね」
このことは微かに笑って話した。
「そうだったよ」
「そうでしたね」
「だからね」
「学園のこともご存知ですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「だから今言うんだ」
「お医者さんもですね」
「いい人達が揃っていてね」
それでというのだ。
「妹さんに何があっても」
「それでもですね」
「手当ても出来るから」
「だからですか」
「今はね」
「クランプ学園にですね」
「二人共来た方がいい」
封真も小鳥もというのだ。
「ここに残るより」
「そうですか」
「うん、どうかな」
昴流は封真、今も小鳥を支えている彼に顔を戻して問うた。
「それで」
「わかりました」
封真は確かな声で答えた。
「それでは」
「うん、今からね」
「俺達も行かせて下さい」
「それではね」
こうしてだった。
神威は一旦剣を持ってだった。
天の龍の面々と共に丁の前に来た、そして彼女に剣を出すと丁は目を閉じて畏まった態度で以て述べた。
「わかりました、では然るべき時までです」
「闘う時にか」
「貴方が最後の」
そのというのだ。
「その時にまでです」
「預かってくれるか」
「そうします、わらわは確かに剣に触れられませんが」
神威が差し出し宙に柄を上にして青いオーラを放っているそれを前にして話した。
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