第二十三話 剣生その二
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「身辺整理を全て整えて」
「こちらに来られたんでっか」
「そうだったのよ」
「そやったんですね」
「そして」
時鼓は話をさらに続けた。
「実は姉さんは桃生紗鵺さんと友人同士だったのよ」
「えっ、母さんとですか」
「そうだったんですか」
「私もそうだったけれどクランプ学園に通っていてね」
そしてというのだ。
「同じ学年で同じクラスにもなって」
「それで、ですか」
「お母さんとお友達同士だったんですか」
「そうだったのよ」
封真と小鳥に話した。
「姉さんはそちらの気質はなかったけれど紗鵺さんはね」
彼女はというと。
「姉さんを愛していてしかも私達の分家の人だったから」
「お力を」
「ええ、受け継いでいてね」
そしてとだ、嵐に答えた。
「影贄のお仕事もね」
「されていたんですね」
「そうだったのよ」
「そうでしたか」
「そしてね」
「桃生家にですか」
「嫁いで」
そしてというのだ。
「このお家にいたのよ」
「あの、何かです」
護刃はここまで聞いて驚きを隠せない顔で言った。
「あまりにもです」
「お話がかしら」
「はい、物凄いつながりで」
「そうよ、物事はね」
「つながってるんですね」
「偶然に見えても」
一見そうだがというのだ。
「実はね」
「偶然じゃないんですね」
「必然でね」
それでというのだ。
「私達もね」
「必然の中におられるんですね」
「そうなのよ」
こう護刃に話した。
「そして今ね」
「その必然をですか」
「お話させてもらってるのよ」
「そうなんですね」
「そしてね」
時鼓はさらに話した。
「今度は剣のことをお話するけれど」
「剣ですか」
「この神社にあった剣はどうして生まれたか」
「それは」
封真はその話を聞くとだった、瞬時に顔を変えて言った。
「お願いですから」
「私もそうしたいのよ」
「お話したくないと」
「けれどね」
「お話されますか」
「そうさせてもらうわ」
こう言うのだった。
「知るべき時でもあるから」
「小鳥も」
「確かに酷なことだけれど」
時鼓もこのことは否定しなかった。
「けれどね」
「その時なのですね」
「ええ、だからこそ」
「そこまで言われてるのなら」
「運命ということもわかってくれるわね」
「はい」
封真は強い顔と声で頷いて答えた。
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