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犬と配達員
第二章

[8]前話
「有り難いことに」
「そうでしたか」
「これからも友達でいていいでしょうか」
 配達員はメーガンに尋ねた。
「それで」
「はい、これからも仲良くしてあげて下さい」
 メーガンは笑顔で答えた、家に帰ってことの次第を聞いた夫もそれならと笑顔で頷いたのであった。
 メーガンはこの話を近所に住んでいる友人のリサ=ラスキーブロンドの長い髪の毛と黒い目を持つ整った顔立ちと見事なスタイルを持つジムのインストラクターの彼女に話した、するとリサは笑ってメーガンに話した。
「実はうちの子もなの」
「フラニーも?」
「そうなの」
「キャン」
 家にいる茶色と白の大きな耳の雌のチワワを見て言うと彼女も鳴いて応えた、リサはその彼女を見つつさらに話した。
「配達の人が来るとね」
「駆け寄るのね」
「そうなのよ」
「その人に愛着があるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「その人とお友達になって」
「うちの娘みたいにしているのね」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「これがね」
「それは本当に面白いわね」
「そうでしょ」
 こうした話をしているとだった、早速。
 家に配達が来た、すると。
 フラニーは玄関の方に駆けていった、その彼女の後ろを二人でついていくと。
 そこに若く短いくすんだ金髪の金髪に緑の目の端整な顔の青年がいた、青年はフラニーと遊んでいるが。
 その彼を見つつだ、リサはメーガンに話した。
「この通りよ」
「フラニーも配達の人と仲良しね」
「そうなのよ」
「ダン=フォークナーです」
 配達員は笑顔で名乗った。
「この前仕事でこちらに来ましたら」
「フラニーが駆け寄ってなのね」
「それからです」
 こうメーガンに話すのだった。
「仲良くなりました」
「そうなのね」
「配達の人はお仕事で家に来るけれど」
 リサもメーガンに話した。
「時としてね」
「そのお家の犬と知り合って」
「お友達になることもあるのよ」
「これもまた神のお導きかしらね」
「そうかも知れないわね、貴女のとこのムースもそうで」
「フラニーもってことね」
「そうなってるのよ」
 こう言うのだった。
「面白いことにね」
「そういうことね、そうした絆を作ってくれるなんて」
 メーガンはリサの話をここまで聞いて笑って言った。
「神様も粋なことをしてくれるのね」
「全くよね」
「僕もそう思います」
 リサだけでなくダンも言った、そのうえでフラニーを見るととても上機嫌だった。ムースがそうである様に。


犬と配達員   完


                  2023・6・26
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