師弟と父子
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が僅かだけ緩んだのをチャンスを待っていたトランクスは見逃さなかった。
重力室でも使える小規模の気爆破でベジータの虚を突いた。
「何!?」
「今だぁっ!!」
トランクスは僅かな隙を逃さずベジータの顔面に拳を叩き込んだ。
吹き飛ばせはしなかったが、ベジータが僅かだけ後退したのを見て喜んだが、次の瞬間にはトランクスの腹にベジータの拳が突き刺さる。
「が…っ!」
「隙だらけだぞ。気を抜きやがって…まあ、今のお前には上出来だろう」
「は…はは…」
腹を押さえながら苦笑するトランクス。
今日の修行は終わりだと言おうとした時、悟林が重力室に入ってきた。
「お疲れ、トランクス君。モニターで見てたよ。ベジータさんに一撃入れるなんて大したもんだよ」
「…あっさりとやられたけどね…」
まさか情けない結果を見られていたことにトランクスは落ち込んだ。
「それでもだよ。ベジータさんの強さや経験を考えれば君は寧ろ大健闘だ。自信を持っていいと思う」
「そう…かな…?」
「そうだよ!はい、ケーキ作ってきたんだ。食べて?」
大きな箱に入ったパオズ山に自生している野苺で作ったケーキがトランクスに渡された。
「え!?ケーキ!?ありがとう!」
沈んでいた気分も悟林の手作りケーキで浮上する。
現金な息子に呆れるベジータだが、ベジータにも箱を渡された。
「はい、ベジータさんの分!」
「ふん、貰ってやる」
悟林のケーキ…それはとても美味なる物だった。
地球に来てから数多くの美食…菓子も含めて食べてきたベジータは相当に舌が肥えていたが、チチと悟林の作る手料理はベジータも素直に唸るレベルだったのだ。
悟空は常にこんな物を食べているのかとライバルを多少疎ましく思ったりしたが、いずれはこれが日常で食べることが出来ると思うと自然と顔が綻ぶ…流石は食べるのが大好きなサイヤ人だ。
リビングに向かい、ケーキを食べているとブルマもやって来た。
「あんた達…私を除け者にして何食べてんのよ!私の分は!?」
「安心してよブルマさんの分もしっかりあるから」
悟林は普通サイズのケーキが入った小さな箱をブルマに渡す。
夫と息子のケーキと比べて自分のは遥かに小さい。
「何か私だけ差別されてるみたい…」
「ブルマさん…このサイズ食べられるの?」
トランクスとベジータに渡したケーキはサイヤ人が満足出来るサイズなのでブルマでは確実に容量オーバーだ。
「そうなんだけど…何となく疎外感を感じるわ…うーん、美味しいっ!!」
ケーキを食べ始めるとブルマの顔が綻んだ。
ベジータ(無表情だが)とトランクスも美味しそうにケーキを頬張っている。
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