第86話 殻を破れ
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オーレリア・ルグィン、エレボニア帝国に使える将軍でラウラの姉弟子でもある。彼女はアルゼイド流だけでなくヴァンダール流も極めており帝国でも5本の指に入る実力者だ。
だが目の前の人物はそのオーレリアすら霞むほどの闘気を感じてラウラは警戒を最大にする。
「ラウラ・S・アルゼイド、そう警戒なさらなくても貴方、そして彼らに危害を加えるつもりはありません」
「その言葉を信じろと?」
「はい、そうです」
「……」
この女性が結社の一員なのは間違いない、だがラウラは女性から一切の敵意を感じず困惑していた。なにより女性が醸し出す優し気な雰囲気に初対面だというのにこの人物は自分を騙そうなどとは思っていないと信頼感すら生まれてしまっていた。
「マスター、私はまだ……!」
「デュバリィ、本来なら実力で勝る貴方が勝てた勝負でした。しかし貴方は追い込まれた、その原因は理解していますか?」
「……アルゼイドを侮り怒りで視野を狭くしてしまったからですわ」
デュバリィは悔しそうにそう呟いた。事実デュバリィは実力ではラウラを圧倒していた、しかし怒りで視野が狭くなり手痛い反撃を喰らってしまった。
「その通りです。彼女は人が卑劣と思うような不意打ちをしました、ですがそれは貴方に勝たなければ守れないものがあると覚悟をした決死の行動です。彼女の言う通りプライドを優先して守る者を守れない、そんなものは騎士とは言いません」
「……どんな時でも正々堂々敵と戦い打ち勝ってきたマスターは私の誇りでした、だから私もそうなりたかった。でも私ではそうはなれないのですわね」
デュバリィはそう言って俯いてしまうが鎧を着こんだ女性が彼女の肩に手を置いた。
「そんなことはありません、貴方の真っ直ぐな太刀筋は私にとって誇りです。私が言いたいのはもっと広い視野を持ってほしいと言う事です」
「視野を?」
「自分の考えだけに固執せず相手の考えを受け入れ尊重し学ぶ、そのうえで自身の誇りを貫けるように常に己を鍛え続けなさい。そうすれば貴方は誰よりも強くなれます。貴方は私が何よりも期待する自慢の弟子なのですから」
「マスター。私の事をそこまで……」
女性の言葉にデュバリィは感動した眼差しで女性を見ていた。
「マスター!私は必ず今よりも強くなって見せますわ!貴方の期待に応えられるように更なる鍛錬を積み何事にも動じずに受けいられる広い心を持って見せます!」
「貴方なら必ずできます。期待していますよ、デュバリィ」
「マスターに期待していただけるなど有難き幸せです!」
デュバリィはそう言って女性に膝をついて敬意を払う。
「ラウラ・S・アルゼイド、貴方には感謝いたします。デュバリィ
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