第86話 殻を破れ
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、そして次の瞬間二人の剣がぶつかり合った。
「うおぉぉぉっ!!」
「はあぁぁぁっ!!」
気合と共に放たれる一撃が空気を震わせる、お互いの剣がぶつかり合う音だけがこの空間に響いていた。
流石に片足を負傷したからかデュバリィは先程のような速度は出せなくなっていた、だがそれでも達人を思わせる足取りでラウラを攻めていく。
「それだけの腕を持っておきながらあんな卑怯な手を使うとは!アルゼイドは下劣な一族でしたのね!」
「私は兎も角一族を侮辱するな!父上はあんな手を使わなくともそなたに勝てる!」
デュバリィの放った逆袈裟斬りがラウラの腕を掠める、おかえしに放たれた一閃はデュバリィの足に切り傷を付けた。
「なら何故貴方は卑怯な手を使うのですか!貴方には剣士としての誇りは無いのですか!」
「あるに決まってるだろう!私とて正々堂々戦って勝てるならそうしたい!だがそれではそなたに勝てない!」
鍔迫り合いをしながらお互いの言葉をぶつけあう二人、ラウラは必至の形相で叫んだ。
「どんな綺麗言も勝てなければ戯言に過ぎない!正々堂々戦う事に拘りそなたに負けてしまえばリィンに危機が迫る!なら私は邪道を使ってもそなたに勝つ!」
「ッ!?」
ラウラがデュバリィの剣を徐々に押し返していく。
「卑怯と言いたければ幾らでも言えばいい!私は守るべきものを守るためなら正道を捨てても構わない!それが私の剣士としての戦いだ!」
そしてラウラの振り下ろした剣がデュバリィを弾き飛ばした。
「今だ!」
ラウラは闘気を纏うと大きく跳躍して一気にデュバリィに突っ込んでいった。その全身には獅子のオーラが纏われていた。
「私は……私は負けるわけにはいかない!必ず勝って見せますわ!マスターの為に!」
デュバリィは分け身で3人に分身すると一斉にラウラに向かっていった。
「奥義!『獅子洸翔斬』!!」
「プリズムキャリバー!!」
二人の全力の一撃がぶつかり合う……はずだった。
「なにっ!?」
「なっ……!?」
だが二人の一撃はいつの間にか乱入していた人物に止められていた。その人物は全身に鎧を纏い闘気を纏った腕のみで二人の全力の一撃を止めてしまったのだ。
「マ、マスタ―……!?」
「デュバリィ、剣を引きなさい。この勝負は彼女の勝ちです」
うろたえるデュバリィにマスターと呼ばれた人物はそう告げた。
(女性か?片腕だけで獅子洸翔斬を止めるとは……)
自分だけでなくデュバリィのプリズムキャリバーも同時に止めた人物が優しい女性の声だと知ったラウラはオーレリアを思い浮かべていた
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