第86話 殻を破れ
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とはいえ激しい痛みがラウラの体を走る。
「ぐうっ……」
「ここまでですわね」
膝をつくラウラに剣を付きつけるデュバリィ、勝負はついたかに思えた。
「ま、まだだ……」
だがラウラは立ち上がった。
「負けを認めなさい、貴方では私には勝てませんわ」
「ああ、そなたに目にものを見せてやると息巻いていたがここまで実力の差があるとはな。自分の弱さに呆れが出るほどだ」
だがラウラはそんな言葉とは裏腹に強い闘志を出しながら剣を取った。
「それでも私は引き下がるわけにはいかない、剣士として守るべきものを守れずして何が剣士だ。私はいずれアルゼイドを継ぎレグラムを守っていきたい、そして今新たに守りたい存在が出来たんだ」
ラウラは自身の髪留めを触ってリィンの事を想う。
「最初は好敵手として見ていた、だが共に競い合い時には協力して戦場を駆け抜けてきたんだ。そのうち私はリィンを一人の男として好意を持っていたんだ。初めてだったんだ、この想いは……今はこの想いを抱けたことを嬉しく思う」
そしてラウラは強い眼差しでデュバリィを見る。
「だからリィンを狙うそなた達を放っておくことはできない!愛する者を守るために絶対に引けないんだ!」
「……愛ですか、なるほど」
ラウラの決意を聞いていたデュバリィはなにかを想うように考え事をしていた。
「私もマスターに愛をささげている者、貴方の気持ちは分かります。でも愛だけでは埋めれない実力の差を思い知らせて差し上げますわ」
デュバリィは剣と盾を構えて更に強い闘気を出していく、先ほどより本気を出したのだろう。
「行くぞ!」
ラウラは一気にデュバリィに接近して上段から勢いよく剣を振り下ろす、だがそれは簡単にかわされてしまう。
「痛みで精密さが出せないようですわね、そんなもの当たりはしませんわ!」
「ぐふっ!?」
デュバリィはラウラの腹部に剣の柄を当てて後退させる。
「今度こそ終わらせて差し上げますわ!私の奥義にて散りなさい!」
膝をつくラウラにデュバリィは分け身で3人になり一斉にラウラに襲い掛かった!
「『プリズムキャリバー』!!」
「……その瞬間を待っていた!」
ラウラは懐から安全ピンを抜いた閃光手榴弾を地面に転がして目を閉じた。
「なっ!?」
ラウラの予想外の行動にデュバリィは虚を突かれ防御が遅れた、その瞬間凄まじい光が辺りを照らしてデュバリィの視界が奪われる。
「ぐうっ……卑怯な手を!?」
「戦場ではなんでも使う、私が西風の旅団から学んだことだ」
動きの止まったデュ
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