第86話 殻を破れ
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わね!」
だがそれをあっさり回避したデュバリィは神速と呼ばれる自慢の速度で彼女を翻弄していく。
「……」
だがそれに対してラウラは目を閉じて剣を構えて佇んでいた。
(諦めた?いえそんな気配は微塵も感じませんわね)
デュバリィはラウラの動きに疑問を感じたが何かを狙っていると思い警戒しながら攻撃を放つ。
(もらいましたわ!)
ラウラの死角から音もなく放たれた斬撃だがラウラはそれを大剣で弾いた。
「そこだ!」
そして横一文字に大剣を振るうラウラ、デュバリィは神速のようなバックステップでそれを紙一重で回避した。
「……中々の速さですわね、先ほどよりも鋭くなっていますわ」
しかし完全には避けれず鎧に大きな傷がついていた。体には到達していないがプライドの高いデュバリィは内心怒りに震えていた。
「まさか貴方が『制空圏』を会得していたとは思ってもいませんでしたわ」
「ああ、必死で学んだからな」
デュバリィはラウラが使った技の正体を言い当てる。
制空圏とは自身の攻撃が届く範囲に氣で結界を作り本能で反撃をする自己防衛の技だ、これを使う事によって自身の360度から来る攻撃を防げるようになる。
もちろん相手の方が強ければ破られることもあるがこの時デュバリィはラウラを試すため力をセーブしていた、だからラウラが反応できたのだ。
達人なら剣で斬撃を飛ばせるように極めたものが使う基本的な技術だ。ラウラは超一流の達人ではないがこの年齢にしては相当鍛え込んでいるので達人に脚を踏み入れた状態である、完全には会得できていないが何とかデュバリィの攻撃に反応することが出来たようだ。
「速さを売りにしている者を他にも知っているのでな、それに対処するために会得したのだ」
「なるほど、その若さで大したものですわ。でもタネが分かれば対処は出来ますわ」
ラウラはそれを聞いて先程仕留められなかったことを後悔する、こういうのは相手が知らない内に使うのであれば大きな効果があるが知られれば対処も容易いからだ。
「行きますわよ!」
デュバリィは再び神速の動きでラウラを翻弄していく、ラウラも制空圏を使い対処していくが徐々に押し込まれていった。
「ぐうっ……!?」
「どうしましたの?少しギアを上げただけで付いてこられないのですか?」
必死で攻撃をいなしていくラウラだがデュバリィが速度が増していき対処が難しくなっていった、その綺麗な体に切り傷が走っていく。
「ここですわ!」
「がはっ!?」
そして一瞬の隙を突かれて胴体を袈裟斬りで斬られてしまった。みねうち
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