第86話 殻を破れ
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そして電のような速度で袈裟斬りを放つ。
「くっ!」
ラウラはそれをバックステップで回避するが腕を浅く切られていた。
「まだまだこれからですわよ、ガッカリさせないでくださいまし!」
デュバリィは息を休める間もなく連続で剣を振るう。上段からの振り、一文字斬り、逆袈裟斬りと様々な剣技でラウラを攻め立てる。
ラウラも致命傷を避けて防御していなしていくが徐々に傷を増やしていく。
(焦るな!冷静の相手の剣を振るうタイミングを見極めろ!)
ラウラは傷を負いながらもデュバリィの攻撃の癖を見極めて反撃の機会をうかがう。
(……今だ!)
そしてわずかな隙を捕えたラウラは大きく跳躍した。
「鉄砕刃!」
そして上空から振り下ろされた大剣が地面を打ち砕いた。完全に虚をついた一撃だったが……
「いない!?」
目の前にはデュバリィの姿はなく砕かれた地面があるだけだった。
「どこを見ていますの?」
「っ!?」
背後から声が聞こえたラウラは素早く大剣を横なぎに切り払うが空気を斬るだけに終わった。
「遅いですわね、まるで遊戯を見ているようですわ」
「いつの間に……!?」
ラウラの前に現れたデュバリィはやれやれとラウラを小ばかにするように振る舞う、自身の目では負えなかったデュバリィの速度にラウラは驚愕していた。
「私の二つ名は神速……貴方では私を捕えることは叶いませんわ!」
デュバリィは先程よりさらに速い踏み込みでラウラに接近した。ラウラは咄嗟に大剣を構えて防御しようとするがデュバリィの姿が消える。
「遅いですわよ!」
「ぐわっ!?」
背後に現れたデュバリィが峰でラウラの背中を攻撃する。激しい痛みにラウラは苦痛の表情を浮かべるが直ぐに反撃をした。
「どこを狙っていますの?」
だがその攻撃は空振りした。ラウラは一度デュバリィから離れると息を整える。
「なぜ斬らなかった?」
「兎を狩るのに全力になる獅子はいませんわ。私は貴方を試す立場なのでいきなり命を奪ったりはしませんの」
「……そうか」
ラウラはそう言って再び剣を構えた。昔のラウラなら侮辱されたと思い怒りで視野が狭くなっていただろう、だが戦場も経験したラウラは冷静に今の状況を見据えている。
(殺す気が無いのなら好都合だ、そなたとの戦いを私の糧にしてさらに成長させてもらおう!)
ラウラはそう思い剣を上段に構える。
「地裂斬!」
ラウラが放った一撃は地を砕きながらデュバリィに向かっていく。
「こんなもの楽にかわせます
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