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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その二十三

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「そうした人物ではない」
「ですから」
「そうだ、だからだ」
「軍人にはなれないですね」
「もっと言えば政治家にも官僚にもなれない」
「そして企業でもですね」
「芸術家になるべくしてなった人物であり」
 それでというのだ。
「他の職業にはな」
「中々なれないですね」
「私はダリは芸術関係に就ける」
 今彼がエウロパにいるならというのだ。
「公の人物とするならな」
「その場合はそうだ、とかく彼はな」
「社会の規律には入らないですね」
「そうした人物だ」
「だからですね」
「軍人には何があろうとしない」
「例え彼が望もうとも」
「そうする、もっとも彼は軍人は望まない」
 歴史に残るダリのその言葉を聞いていての言葉だ、それが演技的なものであろうともダリは軍人になれないというのだ。
「決してな」
「そうした人物ですね」
「そうだ、とかくだ」
「適材適所ですね」
「そうする、ある分野で無能な者が他の分野で無能か」
「そうとは限らないですね」
「その通りだ、同じ分野でも一流のスポーツ選手が指導者としても優秀か」
 このケースもだ、ギルフォードは話した。
「それはどうか」
「わからないですね」
「その通りだ、選手として名声を得てだ」
 そうしてというのだ。
「コーチや監督になりだ」
「そこでその名声を落とした人物もいますね」
「そうした場合もあるな」
「はい、確かに」
「そしてファンを幻滅させた場合もある」
 このケースもというのだ。
「世の中はな」
「これも適材適所ですね」
「そこを見抜くことで私はそれが出来る」
「だからですか」
「私は立場や階級にこだわらない、無能な働き者は切れというが」
 ゼークトの言葉も出した。
「それは駄目だ」
「適材適所を考えると」
「無能な働き者は切らずにな」
「相応しい場所に就けて」
「有能な働き者になってもらう、だが」
 ギルフォードはその目を強い光を宿らせたものにして述べた。
「私も用いない輩がいる」
「どうにもならない腐った輩ですね」
「私はタレーランやフーシェでも使いこなしてみせる」
 ナポレオンの第一帝政を政治面で支えたがそれと共に彼を失脚された稀代の謀略家達だ、私人としてはともかく公人としては政治力と知力、倫理観のなさから何をどうしても信用出来ない者達だった。
「だが」
「それでもですか」
「実に腐りきった、悪を悪と思わない」
「そうした輩はですね」
「切る」
 そうすると言うのだった。
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