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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その二十二

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「代案があればな」
「その代案にですね」
「言える、だが」
「だがとは」
「これが反論の為の反論、批判の為の批判の様なものはな」
 そうしたものはというと。
「造作もない」
「反論は、ですか」
「全く勉強していない輩の言い掛かりはだ」
「何でもないですか」
「代案を出してくるならそこからさらに政策を出すことも出来るが」 
 しかしと言うのだった。
「だがな」
「それでもですね」
「そうしたものはな」
 俗に言う反対の為の反対、言い掛かりの様なものはというのだ。
「私の相手になる筈がない」
「その程度のものですか」
「そうだ、私に対したいならだ」
 それならというのだ。
「最低でもキケロの様な資質を備えるべきだ」
「キケロですか」
「小カトーでもいい、少なくともあれ位でないとだ」
 さもないと、とだ。ギルフォードは話した。
「私は踏み潰してしまう」
「踏み潰すのですか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「恐竜が蟻をな」
「その様に」
「恐竜が蟻に気付くか」
 巨大なその存在がとだ、ギルフォードはモンサルヴァートに問うた。
「一体」
「そこまでの違いですか」
「例え中央政府議員でもだ」
 その立場でもというのだ。
「中身のない輩ならな」
「蟻ですか」
「人物の大小は立場に関係ない、そして階級にもな」
「その人物次第ですか」
「確かに私は貴族だが優秀ならだ」
 そうした者ならというのだ、尚ギルフォードは自分が人物を見る目については絶対の自信を持っている。そして実際に多くの者を抜擢して活用している。
「階級にも年齢にもその時点の立場にも関係なくだ」
「用いられますか」
「そうする、だが逆に言えばな」
「その時点で高位の立場にあろうとも」
「その者がその分野で無能と見ればな」
「外しますか」
「それに相応しい立場に就ける」
 そうするというのだ。
「優秀なスパイだが参謀適性がないならだ」
「参謀ではなくですか」
「スパイとして用いる」
「適材適所ですか」
「ダリは軍人にはなれない」
 二十世紀のスペイン出身の超現実主義の画家である、奇人として知られていたがそれは演技的なものだったとされている。
「そうだな」
「はい、彼が芸術家にはなれますが」 
 モンサルヴァートもダリについて語った。
「しかしです」
「軍人にはなれない」
「あまりにも奇抜そして独創的で」
「軍人は規律を重んじるが」
「それでもですね」
「ダリは規律で縛れない」
 到底と言うのだった。
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