誰かに似てね?
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<アリアハン>
ともかくも状況を落ち着かせたアルル等は、アメリアが用意してくれたケーキとお茶を飲みながら、雑談に花を咲かせている。
「…でもごめんなさいお母さん」
「何を謝る事があるの?」
不意に謝ってきた娘に尋ねる母親…
「お父さんが余所で子供を造ったなんて…あんな状況で伝えるべきでは無かったのに…ごめんなさい」
愛する夫の不貞な行い…
言わなければ無かった事になる訳でもないのだが、それでも大切な母には知らせたくなかった。
アルルは申し訳なさそうに俯き、母の顔を見る事が出来ない…
「やっぱり余所で浮気しちゃったんだ。…うふふ、良いのよアルル。多分そうじゃないかと思っていたから」
だが母が返してきた言葉は予想の逆を行く物だった!
「た、多分って…お母さんはお父さんが浮気をする事が分かってたの!?」
「うん。だって…初めて出会った時のあの人の言葉は…『美しいお嬢さん、今夜俺のベッドに空きがあるので、ご一緒に夢の園へと出かけませんか?』だったし!」
「はぁ!?」
「ど、どっかで聞いた事ある様な台詞だなぁ…」
呆れるアルル…
思わずリュカを見るウルフ…
「『夢の園』か…うん、良い表現だ!今度使おう!」
「父さん!!」
「ぐっ………頭が痛くなってきた…あのクソオヤジ…」
「あらあらアルル…言葉が悪いですよ!それに、そのクソオヤジの成分から生まれてきたんですからね!」
口汚くオルテガを罵る娘に、頬を膨らませ叱るアメリア…
その仕草が何とも言えず可愛い…
「う、羨ましいですねぇ…リュカ殿もオルテガ殿も、英雄と呼ばれる御仁には美女が寄ってくるようですね!」
「こらラングストン!アルルパパは知らんが、僕は英雄じゃないぞ!勝手に奉り上げるな!」
「いえいえ…『英雄色を好む』って言いますから、リュカ殿は間違いなく英雄です!」
リュカとラングストンのやり取りに、一同が爆笑する。
「でもティミー…私にも分かってきたわ。ロクデナシの血が混じっているという事が、どれほどに恐ろしい事かって…」
「はぁ…強く生きようねアルル…」
勇者カップルが溜息と共に見つめ合い、そして苦笑いをする…
「大変だなぁ2人とも。ま、頑張ってね!」
溜息の元凶の片割れが、悪びれる事もなく嘯いた。
「何で他人事なんですか!?アナタの所為で僕は苦労してるんですよ!自覚を持って下さい!」
「知らないよぉそんな事…世の中に美人が多いのが悪いんだ!僕は自分の心に従って生きているんだよ」
「いけしゃあしゃあと言いやがってコノヤロー!」
「あれ?最近ティミー君てば反抗期?パパに対して乱暴な言葉が多いけど…?」
リュカの気の抜ける様な台詞に、一同が頭を抱え溜息を吐く。
「お父さん…自覚してなかったんですのね…大分以前か
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