天馬の漢気
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在を倒した。だが、自分がそれによって今現在下位に甘んじる結果になっている。
「それにあいつは今一位になっているソフィアをまるで警戒していない。恐らくこのまま行けば、誰にも気付かれずにソフィアが逃げ切るだろう」
ソフィアはミラさんと戯れていたこともありロスがほとんどない。もうまもなくゲームに復帰すればそのままカウントを0にできるだろう。だが、それをあの男は気にしている様子はない。タクトたちも冷静さを失っており、その事に気が付いていないようではあるが・・・
「あいつの狙いは何か他にあるのかもしれないな」
「他って例えば?」
シェリアの問いに首を振るリオンくん。何が狙いで何を持って行動しているのか一切わからないシルフェ。俺たちはその行方を静かに見守るしかなかった。
シリルside
競技の時間はまだ余裕がある。ただ、全員の消化しなければならない時間は残り少ない。そんな状況で二人の男の戦いが始まろうとしていた。
「ミラさんは?」
「ナツさんを寝かせて戻ってきてるみたい」
闘技場の壁にナツさんをもたれかけさせて競技へと戻ってきているミラさん。彼女もこのまま行けば問題なく消化はできるだろけど、重要なのはその順位とそれまでの時間。
「ナツさんのあの様子だともうたぶん起き上がれないと思う」
「他の皆さんがタイムを消化してくれればすぐに治療できますけど・・・」
すでに臨戦態勢に入っているタクトさんとシルフェ。この二人の戦い次第では状況が一変しかねない。何事もなく終わってくれれば一番いいんだけど・・・
ダッ
そう願っていた俺たちだったけど、やはりそううまくはいかないようだ。シルフェは果敢にタクトさんへと向かっていく。だが、それは当然彼もわかっていたためすぐさま迎え撃つことができていた。
「音楽魔法・・・真夏の夜の夢!!」
タクトさんの手元が光ったかと思うと、迫っていたシルフェを炎が襲う。これは手痛い一撃になったと思われたが、シルフェは止まることなくタクトさんの腹部へと拳を突きつけた。
「ぐっ」
「消えろ」
そのまま突き立てた拳から風を巻き起こし、長身の青年をいとも容易く吹き飛ばした、かに見えた。
「それだけですか?」
「!!」
あろうことかタクトさんは彼のその手を握り吹き飛ばされるのを防いだ。そしてこれは同時にある事態を引き起こす。
ゴキッ
「!?」
敵を吹き飛ばすために放った一撃を相手が自身の腕を掴み耐えた。それはつまり全部のダメージを受けたタクトさんも本来より被害は大きいが、巻き込まれたシルフェも同様に被害を受けてしま
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