天馬の漢気
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・ん?」
ミラさんも不意打ちを受けたことでなかなか立ち上がることができずにいた。こうなるとあとは他の参加者たちがどうなるかを見守るしかないのかと思っていたところ、シルフェの前に一人の青年が立ちはだかる。
「俺がお相手しましょう」
平静を装っているがタクトさんの目からは怒りの感情が見て取れる。そんな彼を見ても、シルフェは一切焦っている様子は見られない。むしろ彼を待っていたような・・・そんな風にも見えてしまった。
レオンside
狩猟豹の頭のシルフェと向き合っているタクト。その表情は彼としては珍しく怒っているのが誰の目から見てもわかる。
「でも今対応するべきなのは、あいつではないんじゃないか?」
俺は全員の頭の上に表示されている数字へと目を向ける。確かにシルフェは脅威だが、ナツさんと戦っていたこともあり遅れている状態。むしろ今彼らが見なければならないのはまもなく安全地帯での30秒を終えるソフィアの方であるのだが、誰もその事に気付いていない。
「ポイントも大事だけど、今はあの人を追い払いたいんじゃないの?」
「いや、純粋に冷静さを欠いているだけだと思うぞ」
確かにミラさんへの攻撃はマナー違反にも感じるけど、明確な基準がない。それにこれはあくまで競技中の出来事を言われればそれまでなのだ。彼のやった行動には責められる謂れがない。
「でもタクトさんとシルフェさんの戦いは見てみたいであります!!」
大会とは違う異質な雰囲気になっているにも関わらず相変わらずの能天気ぶりを見せるサクラ。彼女らしい発言に俺とシェリアは苦笑いを見せたが、その際静かに何かを考えているリオンくんの姿が目に入る。
「何か気付いた?」
「リオン?」
「あいつ・・・どこかで見たことがあるな」
「「「え?」」」
リオンくんにそう言われ仮面の男に視線を向ける。でも、全く心当たりがない。それはシェリアもユウカさんみ同様だった。
「あの名前も偽名だろ。シルフェは"風の妖精"って意味があったはず」
「あれが妖精?」
妖精とは言い難い異彩を放っている男だけど、そんなこと言ったら妖精の尻尾はほぼ全員突っ込まれる対象になるので俺は何も言わないでおこう。ただ、リオンくんの気になっているのはそれだけではないようだ。
「あいつはまるでこの競技の得点を気にしていないように見える」
「え?でもナツを最初に倒したら上位に入りやすくない?」
「ナツとあそこまで争わなければもっとカウントを有利に進められてただろ?」
「あ!!そっか!!」
言われてみればその通りだ。彼はこの競技でもっとも脅威になる存
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