天馬の漢気
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本当ならすぐにでも治療するべきなんだけど、制限時間がある競技であるためそれが終わるまでは中に入れない。しかし、戦いの意識を失い無防備な彼に何かが起こらないとは限らない。
「ナツ!!」
それはその場にいた全員がわかっていた。そして妖精の尻尾には一つだけ利点がある。それはもう一人、この競技に同じギルドの仲間が参加しているということ。
ミラさんがナツさんを助けるために飛び込む。他の人たちもこれを邪魔しようとすることはなかったんだけど、一人だけそれとは逆行する者がいた。
「きゃっ!!」
まだ魔法陣に入っていられる時間は残っていたはずだけど、シルフェはそれを放棄してナツさんの救助へとやってきたミラさんに攻撃を与える。これにはさすがの彼女も反応することができなかった。
「それは・・・」
「さすがにマナー違反だ」
しかしこれを黙って見ている他の参加者ではない。バッカスさんとローグさんがシルフェに向かって飛びかかるが、一度休憩を取ることができたからか彼の動きは元通りになっており回避されてしまう。
「このっ・・・」
「逃がすか」
ただ、それで簡単に逃がすような二人ではない。彼らはそのまま追撃しようと迫るが、ここで思わぬ事態に襲われる。
「「うわあああああああ!!」」
「な!?なんだ!?」
フラフラとしながら二人の攻撃を交わしていたシルフェ。それを追いかけていた二人に突然雷撃が落ちる。意味がわからずにいると、彼ら二人が落ちたところを見てその理由がわかった。
「ローグさんたち、いつの間にか魔法陣の上にいます!!」
「そっか、二人で魔法陣に入ったと認識されたのか」
二人同時に魔法陣に入ると電流が流れるとは聞いていたが、彼らは無意識にそれを犯してしまったことになったらしい。どの程度の電流なのかはわかってなかったけど、実力者である二人がすぐに起き上がれないところを見ると相当な威力であることはわかる。
「でもさっきミラさんは入れませんでしたよね?」
「たぶん・・・"攻撃"をしていたからじゃないですか?」
最初のルール説明の時に他の参加者の攻撃は一切受け付けないと言っていた。ただ、その後に二人で入るとダメとも言っていたことを考えると、恐らくあの魔法陣は攻撃だけを防いで人の侵入は制限がないんだ。それが例え中に誰かが入っていても、止めることはできないようになっている。
「でもそれを瞬時に理解したってこと?」
シルフェはまるでその事をわかっているかのような振る舞いだった。ルールを聞いていてもそこまですぐに思い付くとは思えないけど、それをすぐさま把握したってことなのかな?
「あいつの残り時間、30秒切ってくるよ」
「ナツさんもミラさんもダメージが大きいし・・
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