第八十三話 映画館へその一
[8]前話 [2]次話
第八十三話 映画館へ
富美子は家でいきなり姉に言われた。
「あんた最近デートしてる?」
「いきなり何よ」
富美子はカップ焼きそばを食べる手を止めてそのうえで姉に返した、その横にはストロングのレモンの五〇〇がある。
「してないけれど」
「はい、アウトね」
姉も焼きそばを食べつつ応えた。
「今度あんたから誘って行ってきなさい」
「毎日ラインでお話してるけれど」
富美子はまた返した。
「それに会ってるし」
「あのね、会うのとデートは違うのよ」
姉はストロングではなくビールを飲みつつ言い返した。
「デートはロマンよ」
「ロマンなの」
「交際してるならね」
それならというのだ。
「欠かせない最高のよ」
「ロマンっていうのね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「あんたもね」
「デートしないと駄目なの」
「そうよ、デートからね」
姉はさらに言った。
「全てのロマンがはじまる」
「そうなの」
「そうも言っていいのよ」
こうも言うのだった。
「そこまでね」
「言っていいのね」
「だからね」
それでというのだ。
「いいわね」
「私もなの」
「言ってきなさい」
こう言うのだった。
「本当にね」
「それじゃあ」
「そしてね」
「ロマンをはじめろっていうのね」
「ロマンを知れば幸せになるわよ」
姉は言い切った。
「その分ね」
「随分大きいのね」
「大きいわよ」
実際にというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「だからね」
それ故にというのだ。
「今度デートしてきなさい」
「私から誘って」
「相手から言ってきたら乗って」
その誘いにというのだ。
「それでね」
「そうでないとなの」
「あんたからよ、すぐによ」
「それって実質ね」
「あんたから誘えってことよ」
妹にビールを飲んでから言った。
「まさにね」
「攻めていけね」
「そうよ、ロマンは攻めてね」
そうしてというのだ。
「そのうえで手に入れるものよ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「あんたもね」
「自分からってことね」
「そういうことよ、いいわね」
「それじゃあね」
「私だってそうしてるのよ」
「お姉ちゃんもなの」
「彼氏に自分からよ」
まさにというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ