第二章
[8]前話
「そうだったしね」
「そこまで転勤が多いんだね」
「私は大学までずっと東京の方に暮らしていたでしょ」
夫に以前話したことも言った。
「それは東京だと関東の職場だと通勤出来るから」
「そこで暮らしていたんだ」
「お母さんとね。実際関東での勤務も多かったしね」
「そうだったんだ」
「そこも考えられていたの、それでね」
夫にあらためて話した。
「お父さんとお母さん今東京だから」
「そっちにだね」
「招待状送りましょう」
「それじゃあね」
夫は妻の言葉に頷いた、そうしてだった。
二人で悠の両親にも招待状を送った、二人の返事は決まっていた。
二人は東京から来てくれた彼等にも祝福してもらった、だがその翌年夫は男の子を出産したばかりの妻に言われた。
「お父さん今度は千葉の方にね」
「転勤なんだ」
「もうすぐ定年だけれどね」
「定年まで転勤が続くんだな」
「それが自衛官なのよ」
「何かと大変だな」
「転勤が多いことはね」
二人の間の息子を抱きながら話した、そして彼が定年を迎えて東京に落ち着いた時におめでとうと祝福したのだった。
自衛官が父親だと 完
2023・6・25
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