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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第158話:君が欲しくて
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て誤解を解こうとしたサンジェルマンであったが、彼女の声は届かず奏のアームドギアが迫った。それを彼女はギリギリのところで防ぎ、奏を宥めようと声を掛け続けた。

「待って、待ちなさいッ! 彼が倒れているのは――」
「うるせぇッ!!」
[ MAJESTIC∞METEOR]
「ぐぅっ!?」

 正に聞く耳持たず。サンジェルマンの弁明も説明も聞かず、奏は必殺技で彼女を吹き飛ばした。
 その奏の背後からは、倒れた颯人に駆け寄って容体を診ていた翼からの声が響いた。

「奏ッ!? 颯人さんがッ!!」
「ッ、颯人!」

 焦った様子の翼の声に、奏はサンジェルマンへの追撃を止め颯人に駆け寄った。

 そこでは颯人が、何かに苦しむように胸を抑えて脂汗を流していた。

「ぐぅっ!? が……!? はぁ、はぁ……!? ぐぅ、あぁ……!?」
「颯人さん、しっかりしてください!?」
「司令ッ! 至急、救護班をッ!」
「おい、どうしちまったんだよッ!?」

 一見外傷は無さそうなのに、颯人は絶えず何かに苦しんでいた。まるで体の中で何かが暴れているかのような苦しみ方だ。
 指先が冷えて冷たくなる感覚を感じながら、奏は何がどうして颯人がこうなったのかをサンジェルマンに問い質した。

「おい答えろ!? 颯人に何があった? どうして颯人は苦しんでるんだ!?」

「それに関して、サンジェルマンは何の関係も無いワケダ」

 奏の問いに答えたのはサンジェルマンではなくプレラーティだった。彼女はサンジェルマンに掴み掛らんとしていた奏の前に降り立つと、錬金術で牽制しながら簡単に事の顛末を話した。

「今その小僧の中にはファントムが入り込んでいる。放っておけば、ただでは済まないだろう」
「なッ!?」
「別に私はその小僧がどうなろうと知った事では無いワケダが、まぁサンジェルマンが気に掛けているからな。助けたいのならさっさとする事なワケダ。早くしないと手遅れになる」

 話しながらプレラーティは転移結晶を取り出した。自分共々この場を離れようとしている事に、サンジェルマンは彼女を引き留め出来る限り颯人の手助けをしようと言いだした。

「待ってプレラーティ! 彼をこのまま放っておく訳には……」
「それは出来ない相談だ。これ以上はきっと局長も黙っていないワケダ」
「でも……」
「私はサンジェルマンほどあの小僧に入れ込んではいない。だからこの場はサンジェルマンの安全の方を優先させてもらう。嫌とは言わせ無いワケダ」

 そう言うとプレラーティは問答無用で転移結晶を起動させ、サンジェルマン共々その場から姿を消した。

 姿を消す直前、奏は確かにサンジェルマンが申し訳なさそうに頭を下げるのを見た。その事に多少頭が冷えたが、ともあれ今優先すべき
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